2024年8月25日日曜日

桐野夏生「ローズガーデン」(2000)

桐野夏生「ローズガーデン」(2000)を講談社文庫(2003)で読む。人生で2冊目の桐野夏生。
こいつも読みたくて買った本じゃなくて、処分するというのでもらってきた一冊。1993年から95年にかけて小説現代に掲載された3本と、単行本化のために書き下ろされた「ローズガーデン」を加えた一冊。

ローズガーデン
インドネシア駐在員の営業男の高校時代の回想。義理の父親(ヤクザ)に抱かれていた同級生ミロとの愛欲の日々。それまでは年上の女性と遊びのセッ〇スしかしなかったのに、ミロの自宅で、父親に抱かれているベッドでのセッ〇スに興奮する男子高校生。
いやいやそんな男子高校生が日本に存在するのか?攻めすぎだろ。女性読者向けという感じもしないが、中年男性読者向けかもしれない。

漂う魂
歌舞伎町二丁目マンションの幽霊騒動事件。ヒロインの名前がミロなので、その後のミロという設定なのかもしれない。

独りにしないで
女探偵ハードボイルド。歌舞伎町界隈の人々。水商売女に熱を上げる男からの依頼。女の気持ちを確かめたい。裏切られた愛を調査するのは簡単だが、愛を確認するのは難しい。

愛のトンネル
鉄道ホーム転落事故で亡くなった娘(専門学校生)はSMクラブの女王様だったと知った父親(田舎で役所勤め)からの依頼。田舎でそういった噂が出ないように痕跡を消去してほしい。

1と2は連作文芸短編という感じだが、3と4は女探偵ハードボイルド。ちょっと時間があるときにささっと読むのに最適な小説。

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