大沢在昌「烙印の森」(1995)を読む。ジョイノベルとして刊行後、1996年に角川文庫化。自分が読んだものは98年の6刷。こいつも無償でいただいてきた大沢在昌。人生2冊目の大沢在昌。
前回読んだ「夏からの長い旅」(1985)と今作の10年の間に、大沢在昌は「新宿鮫」で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、直木賞などを受賞し人気作家になっていた。
ターゲットの喉を撃ち抜く黒衣の殺し屋「フクロウ」を追いかける男と、芝浦の運河沿いにある人けのないBAR「POT」に集う仲間たち。
警察無線から意味のある内容を選び出すプログラムを仕込む男、元傭兵のマスター、ニューハーフのムエタイ選手、そして主人公は事件現場に必ず舞い戻るフクロウの撮影を狙うカメラマン。
さらに、海兵隊のアマゾネス女L.Tという仲間を得る。いや、なんで日本で銃を所持してる?
中盤ではヤクザに命を狙われるAV監督のガードマン。殺し屋を警戒するボディーガードはここまで先回りして考えないといけない。
警察からゴキブリと蔑まれ罵倒される主人公。いやいや、無能警察よりはるかに有能だから。
少年時代の放火殺人、兄弟の絆、意外な真相。ノワールなハードボイルド。ミステリーの要素もある。
ボリュームが手に取りやすい。2時間ほどの旅行に最適。
あと、事件現場の野次馬は必ず全員マスコミから撮影されている。
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