赤川次郎「殺人よ、こんにちは」(1983)を角川文庫(平成7年47刷)で読む。これも処分するというのでもらってきた古い赤川次郎の14冊目。残すところあと2冊。
「今日、パパが死んだ」という書き出しは、カミュ「異邦人」を意識したものなの?!タイトルもサガンぽい。表紙イラストも80年代ぽい。
ヒロイン丹野有紀子13歳は個室にシャワーがあってお手伝いさんもいるようなお嬢様。パパは海外から海外へと仕事でたまにしか日本に戻らない。
ある朝、ママ(美しくない)からパパが死んだと告げられる。そのまま葬儀。有紀子は知っている。「パパを殺したのはママ」
海岸の別荘で夏休み。ママにはさっそく若い恋人・金沢(32歳ジゴロ)も接近。有紀子は理解のある良い子を演じるけど、こんな男が新しいパパになるとかとんでもない!と心の声で毒づく。気が強そう。
同級生の聡美13歳が金沢に夢中。え、32歳が13歳とキスしてもいいのか?それに、大人が13歳にタバコを1口でも吸わせるな!
赤いワンピースの女の水死体発見、海中に引きずり込まれそうになる有紀子、金に困った叔父、ショップ店員の死体、13歳、真夏の大冒険。
典型的で標準的な赤川次郎サスペンス。読んでいてすごく赤川次郎マスターピースだと感じた。中高生が最初に読むべき赤川次郎だと感じた。夏休み海岸別荘が舞台だと日本要素が皆無。
クリスティ「白昼の悪魔」でも見た、死体発見の場面。横溝正史「幽霊男」でも見たやつ。トリックは古典的。
あと、あのシーンは「太陽がいっぱい」という映画をも連想した。雰囲気が似てた。
びっくりしたのが、13歳ヒロインの冷血非情悪女ぶり。母と娘、共に悪女。このヒロインの設定が13歳って無理がある。17歳ぐらいにしたほうがよかった。じゃないと32歳男と対等に渡り合えない。
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