ジッド「田園交響楽 LA SYMPHONIE PASTRALE」(1919)を昭和27年神西清(1903-1957)訳新潮文庫で読む。これも処分するというのでもらい受けてきた古い文庫本(平成2年76刷)で読む。
アンドレ・ジッド(André Gide, 1869-1951)を読むのは初めて。この小説は早くから日本にも紹介されていたので多くの日本人が読んでるはず。
登場人物がフランス人ぽい名前なのに妻子のいる牧師が登場して戸惑う。フランスにそんなに雪深い村ってあったっけ?
ラショードフォン?ああ、そうかスイスのフランス語圏が舞台なのか。調べてみたらスイス北部ジュラ山地のラプレヴィーヌ村が舞台。標高は1000mを超える。
主人公牧師の独白手記形式。村のはずれの老婆の臨終に立ち会おうと急ぐ。駆け付けるとすでに事切れていた。
そこに盲目で言葉も発しない15歳ぐらいの少女がいる。耳の聞こえない老婆の家で放置されるように育ったので知性も劣る。通常なら孤児院に入れられるけど、牧師は家に連れ帰る。虱がいる衣服は焼き捨てる。不機嫌な妻からは小言を言われる。
拾ってきて数週間は野生の獣のようだった少女はジェルトリュードと名付けられる。熱心な教育で人並みに育つ。美しく育つ。そして息子のジャック(神学校)が恋してしまってる?!
だが、父もジェルトリュードと相思相愛?!それは父と息子の相克。
息子はいつの間にか新教を棄てカトリックに改宗?!盲目のジェルトリュードは開眼手術で目が見えるようになったのだが、間もなく河に転落して死亡?!なんだこの急展開!
この本、薄いので誰でもあっという間に読めてしまう。だが、非キリスト教徒の日本人が読んだところでそのすべてを理解するのは無理かもしれない。プロテスタントとカトリック間の改宗がまずイメージできない。それに、彼らの罪の意識というやつもイメージしづらい。
0 件のコメント:
コメントを投稿