2024年7月24日水曜日

相原実貴 / 西崎めぐみ「ホットギミックS」(2005)

相原実貴 / 西崎めぐみ「ホットギミックS」(2005 小学館パレット文庫)を読む。
こいつもそこにたまたまあったのでもらってきて読む。自分、タダのものはもらって読まないといけない気になる性分。

「ホットギミック」は別冊少女コミック誌に2000年から2005年まで連載された相原実貴による少女漫画。
自分が「ホットギミック」を知ったのは、堀未央奈、間宮祥太朗主演の映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」(2019)。
こいつを見たので登場人物のキャラと相関関係はわかってる。
しかし、この小説版は原作者相原が用意したコミック版とは異なるラストのもの。

ヒロイン成田初16歳高2の住居が父(単身赴任中)の勤務する商事会社社宅。会社での上下関係がそのまま子どもたちにも当てはまるとか地獄。社宅妻たちは常務の妻に頭が上がらない。

しかも初は常務の息子橘亮輝に所有物のように扱われる。こういっちゃなんだが奴隷。なんでそんな異常な設定なん?
社宅は子どもたちが高校生になるまでに出るべき。

ヒロインの血のつながらない兄成田凌はなぜか優秀で一橋大学の学生。
てかなんで一橋?てかなんで東京商科大だったのに一橋?一橋家と関係ある?もしかして田安大学とか清水大学になっていた可能性もある?徳川家と繋がりそうな名前が名門ぽいって戦後民主主義と相いれなくない?東京工業大があるのに商業大はなぜない?

で、兄凌は血のつながらない妹初を好き。キスしたり抱きしめたり。そういう兄だときっと狂気のような熱い目線で妹を見ているはず。なのにそういう記述はない。

てか、16歳ヒロイン主観の考えと喋りなので、いい大人が読むには読みにくくてたまらない。女子中高生が対象にしても、谷崎や三島のような文体でも今の子は十分理解できるはず。
このヒロインが、兄が家に連れてきた同じ大学の同じゼミ生女を見て、即座に自分の胸の大きさと比較し評価判定をするの、なんなん?

保護司母が引き取って養子にした兄は家を出るためにバイトをしている。この兄の生れたときから引き取られるまでが描かれていて地獄。てか児童虐待JAPANという地獄。
いろんなバイトをしてるのだが、ツアコンのバイトで遭難者救助で自身も遭難?もしそんな危険な仕事をさせて一橋大学生を骨折の重傷を負わせたら、旅行会社の責任はどうなる?

この小説版は原作者が挿絵イラストも描いているのだが、ラストシーンは日本語が読めない人が見たら「死んだ?」と思うに違いない。
短いし、1ページの活字密度が低い。結果、内容が薄い。中学生でもすぐに読み終わる。

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