2024年6月10日月曜日

アーサー・C・クラーク「2010年宇宙の旅」(1982)

アーサー・C・クラーク「2010年宇宙の旅」(1982)伊藤典夫訳ハヤカワSF文庫「新版」2009を読む。「2001年宇宙の旅」を読んだことでようやく次に進める。
2010:ODYSSEY TWO by Arthur C. Clarke 1982
なおこの本はソ連の宇宙飛行士アレクセイ・レオーノフ将軍とノーベル賞物理学者アンドレイ・サハロフ博士のふたりに献呈されている。

「2001年」でハルの叛乱によって遭難したディスカバリー号。何があったのか?地球側はだいたいのことを掴んではいたのだが、デイブ・ボーマンは一体どこに行ったのか?ハル9000に何が起こったのかはわからない。

で、アメリカが協力を要請するのがソビエトの宇宙船レオーノフ。やっぱり有人木星探査。
クラーク先生もまさかソ連が崩壊するという予測はまったくできていなかった。
米ソも有人で宇宙船を木星に送る技術が2010年になっても全然実現できそうにないことも予測できていなかった。てか、ロシア人が信用できるパートナーと考えている時点で甘かったw

あと、まさかの中国。いずれ宇宙産業が発達するだろうとは予想してたのかもしれないが、まだ文革やってんのかよ。高すぎるプライドと秘密主義で勝手に自滅する事故とか、ある意味予想通りなのかもしれない。

で、あのディスカバリー号にコンタクト。内部で食材が腐ってて異臭がするとあるけど、宇宙空間ではすべて凍り付いてないのか?居住スペースの室温はオートで保たれるのか。

あと、ハルによって宇宙を漂うようになってしまったフランク・プールは船内にいないことはわかっていたけど、生命維持装置を止められ死亡した宇宙飛行士3人の遺体をボーマンは宇宙空間に投棄してたのか。

木星の衛星にはどんな秘密があるんだ?とにかく木星がでかすぎる。
木星に落下する前にディスカバリー号を地球へ戻す算段がついたのだが、まさか木星に異変が!?
そんなことになったら、レオーノフ号の乗組員は無事なはずないだろう。
そもそも、地球は温暖化や気候変動どころの騒ぎじゃない。地上の風はどうなる?海洋だってどうなるかわからない。食料生産がプラスになるはずがない。

面白かったか?うーん、それほどページをめくる推進力はなかった。ボーマンはもはや人間ですらなかった。地球人とのコンタクトはインターステラーという映画を想い出した。

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