2024年6月2日日曜日

シェイクスピア「ヘンリー四世」

松岡和子訳のちくま文庫シェイクスピア全集24「ヘンリー四世」(2013)を読む。これも英国史のお勉強の一環として読む。英米系の人はみんな知ってる人物なので知っておかないといけない。
ヘンリー四世は第一部と第二部に別れていて、それぞれ1597年以前、1596年から1599年の間ごろには書かれただろうと推定されている。

イングランド王ヘンリー四世となったヘンリー・ボリングブルックの地位は盤石とは言えず不安がつきまとう。
そんな不安を十字軍遠征に打ち込んでまぎらわせる。しかし、スコットランドおよびウェールズ両国境で叛乱。

ノーサンバランド伯と息子ホットスパー・ハリー・パーシー、ウスター伯、先王リチャード二世から正当な王位後継者との宣言を受けたマーチ伯エドムンド・モーティマーはヘンリー四世から冷遇。
スコットランドのダグラス伯、ウェールズのグレンダワーとも共謀。ヘンリー四世に対して反乱を起こす。
お前らがリチャードを不幸な死に追いやってヘンリー四世を王位につけたのに、もう反旗?バカなの?

ヘンリー国王の息子ハル王子(後のヘンリー5世)は自由な遊び人。一緒につるんでるフォルスタッフ?!ってヴェルディのオペラに出てくる人?なぜに泥棒のようなマネを?

いろんな場面があった末にシュルーズベリーの戦い。ホットスパーと王子、ふたりのハリー同士の戦い。結果、ヘンリー四世国王側の勝利で第一部終了。
フォルスタッフはホットスパーを倒したのが自分であるかのようにふるまうなどセコイまねをするも見破られる。内乱とそんな悲喜劇。

第二部 ノーサンバランド伯爵に反乱軍の敗北が伝わる。そしてヨーク大司教も国王軍に備える。

あれ、第一部でもフォルスタッフの騒動がかなりのパートを占めてたけど、第二部はほぼ主役?歴史大河絵巻を読んでいたつもりが、いつのまにかフォルスタッフ周辺の喜劇へ。

叛乱はほとんど戦闘のないまま収束。謀反人たちは逮捕され処刑。
そしてヘンリー四世の死。新国王ヘンリー五世の登場。父から子へ遺言。
そして恩賞にありつこうとやってきたフォルスタッフを「お前のような老人は知らない」と一蹴。

いや、長かった。やはりフォルスタッフのパートは現代人には面白さがなんとなくしかわからない。一番大変なのは翻訳家。

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