2024年5月20日月曜日

ヘンリー・クーパーjr.「アポロ13号 奇跡の生還」(1973)

ヘンリー・クーパーjr.「アポロ13号 奇跡の生還」(1973)の1994年立花隆訳新潮文庫(1998)を読む。
この本、ずっと斜め視界に入って来てた。映画は見た。立花隆訳版を初めて読む。著者はニューヨーカー誌の元ライターとのこと。
もうZ世代の若者は立花隆さんを知らないんじゃないか?アポロ13号の事故も知らないんじゃないか?
13:THE FLIGHT THAT FAILED by Henry S.F.Cooper, Jr. 1973
アポロ11号による人類初の月面着陸成功の翌年、1970年4月13日に打ち上げられたアポロ13号。突然の船体トラブルから月面着陸を断念。それどころか制御不能の深刻なトラブル。

電力、酸素、水、の残存量でどうやって地球へ帰還させるか?絶体絶命の状況。漆黒の宇宙。次々と発生する恐怖。息詰まる迫真のドキュメント。

自分、そもそも事故の原因を忘れていた。酸素タンクが高温になり圧力により破損したことで、3つあるうちの2つの電源バッテリが喪失。そのへんを図で説明してくれる。
その原因も地上でのテストの段階から問題が発生してた。

宇宙船の体勢を立て直すのに時間がかかり、地上管制が原因を特定し事態の深刻さを受け入れるのに時間がかかった。
NASA地上スタッフは全員20代、30代。それは航空宇宙分野がまだ新しいものだったから。主任のジーン・クランツはなんと36歳。

一旦シャットダウンした宇宙船のコンピューターを立ち上げる手順、司令船を切り離す手順、月着陸船を切り離す手順、それらを地上から音声で伝え、聴いて書き留め復唱し、間違いなく入力する作業は想像するだけで怖い。
寒さに震え、寝不足とストレスによるイライラ、脱水症状、尿毒症、判断力低下での作業。(帰還直後のメディカルチェックでは過去のアポロ計画宇宙飛行士で一番悪いデータが出た)

ラベル船長、ヘイズ、スワイガートの3人のクルー。お互いの信頼関係がなければ帰還はおぼつかない。3人とも生きて地上に戻れたのは奇跡。
なおラベル船長も後に本を書いている。邦訳も出てるし文庫化もされた。そちらの本は今のところ未読。

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