2024年5月31日金曜日

岡嶋二人「三度目ならばABC」(1984)

岡嶋二人「三度目ならばABC」(1984)を2010年講談社文庫(増補版)で読む。岡嶋二人が昭和57年~59年に「小説現代」などで発表した短編7本を収録。

三度目ならばABC(小説現代 昭和58年8月号)
金曜日の夜に発生するライフル連続発砲事件。番組制作会社の織田と美郷はテレビ局ディレクターから再現映像を作るよう指示され現場を取材。クリスティの「ABC殺人事件」と同じようなものでは?と主張する美郷に耳を貸さない織田だったのだが、3件目でついに死亡者が発生し…。

電話だけが知っている(別冊小説宝石 昭和57年冬号)
イラストレーターが自室で殺害され車のセールスマンが逮捕された事件。証拠は電話機に残された指紋のみ。セールスマン行きつけの喫茶店の店員が織田と美郷の番組に依頼。殺害時間に間違い電話をかけた人がどこかに居るはず!

三人の夫を持つ亜矢子(小説現代 昭和59年2月号)
3人の夫を持つ女優。3人目の夫の死体が1人目の夫のクルマのトランクから発見され逮捕。だがいつものように美郷のカンが働いて…。

七人の容疑者(小説現代 昭和59年4月号)
誘拐事件の取材中に美郷のカメラが盗まれた事件。

十番館の殺人(小説現代 昭和59年5月号)
怪物たちに扮装した状態での刺殺事件の再現映像収録リハ。

プールの底に花一輪(小説現代 昭和58年10月号)
会員制高級ラウンジのプールでの女性溺死体。カンのいい天然美郷が危機一髪。

はい、チーズ!(小説現代 昭和59年10月号)
昭和62年の文庫化には未収録だったので、今回の増補版で文庫初収録。
カメラマンの毒殺事件。

どれも80年代の雰囲気のするライトな作品ばかり。若手アイドル女優主演の深夜30分ドラマの原作にぴったりな感じ。
正直、岡嶋二人は長編のほうが自分には合ってるなと感じた。

0 件のコメント:

コメントを投稿