2024年5月6日月曜日

島崎藤村「ふるさと」(大正9年)

島崎藤村「ふるさと」(大正9年 実業之日本社)のほるぷ復刻(昭和49年)を、5,6年前にブックオフで見つけたので連れ帰った。250円の値札シールが貼ってある。

藤村が幼少のときに信州木曽地方の山の中で見たり聞いたり体験したことを、自分の子どもたちに読ませて語るために書いたもの。発売時の価格は「定價壹圓」。

藤村が父の子どものころに誰と仲が良かったまでしっかり覚えていてすごい。昔の人はヒマなので囲炉裏端でそんな昔の話を延々と繰り返し子どもや親にしていたのかもしれない。

ちょっと驚いたのが、父が梵天山というところへ行って道端の岩に水晶が散らばっている…という件。自分、山で水晶を見つけたことなど一度もない。

てっきり子どもに国語を教えるためのもの…程度に考えていたけど、これは予想外に感動作。都心の子どもたちに是非読ませたい。150年ほど前の日本はこんな暮らしをしてたんですよと。昔の人は草花や動物や鳥たちと話すことができたんですよと。

0 件のコメント:

コメントを投稿