北山猛邦「つめたい転校生」(2013)を2016年角川文庫で読む。これは2013年に単行本が出たときは「人外境ロマンス」というタイトルだったものを、文庫化のさいに現タイトルに改題した6本から成る短編集。表紙カバー画は吉田ヨシツギ。
てっきり日常ミステリーみたいなやつかと思ってた。違ってた。6本の短編すべてが人間と人間でない何かとの恋愛、もしくは交流。すべてファンタジー。もしくは怪談。
法学部学生が学内でスナイパーらしきハンサム男を目撃して…という「かわいい狙撃手」は、話の筋を予測できなかったということもあってちょっと笑った。そんなバカな!?
「つめたい転校生」は密室が出てきたりしてミステリーと言えるかもしれないが、それでもやっぱり、転校生の正体がファンタジー。
「いとしいくねくね」は完全に清水崇監督ホラー映画で脳内再生。
教授殺害現場にいた薔薇の鉢植えが唯一の目撃者という「はかない薔薇」、森の中の洋館でピアノを弾いている青年に恋をする少女の話…の「ちいさいピアニスト」。そのどれもが小川未明みたいな感じ。ほぼ児童向け?これも正直、自分には合ってなくて読むまでもなかった。
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