2024年5月15日水曜日

関裕二「消えた海洋王国 吉備物部一族の正体」(2007)

関裕二「消えた海洋王国 吉備物部一族の正体」(2007)を読む。長い小説を読んだ後の息抜きに読む。自分、関裕二の古代史本をもう何冊読んだかわからない。

日本書紀に不自然なぐらい存在が消されてる吉備について関先生の考えを述べた本。関裕二本には物部氏について語る本もある。そちらとかなり内容がかぶってる。

だが、この本は「古代史謎解き紀行Ⅳ瀬戸内編」として2007年にポプラ社より刊行された単行本の改題しての2016年新潮文庫化。

これがほぼ関せんせい旅行記。福岡の香椎宮、下関に神功皇后の忌宮(穴門豊浦宮)、鬼ノ城と吉備津彦と桃太郎、などなど紀行。

四道将軍の吉備津彦命は鬼(温羅)を退治した伝説があるのだが、温羅の首をはね串に刺して晒した場所が「首(こうべ)村」現岡山市北区首部。横溝正史は岡山に疎開してたときにこの伝説を知って「鬼首村」を創作したのかなって思った。

瀬戸内海の島々を見てやると意気込んで「しまなみ海道」をママチャリで必死のペダル漕ぎ…は読者を笑わせよう感が強い。
楽しみにして行った呉のヤマトミュージアムでは日本人の性格について私見を熱く語る。

ヤマト建国の功労者で有力勢力だった吉備が、5世紀後半になると勢力が衰えて行った理由は何か?関裕二のこれまでの主張を述べる一冊。わりとライトで楽しい読み物。

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