2024年4月30日火曜日

タキトゥス「ゲルマーニア」(AD. 97-98)

タキトゥス「ゲルマーニア」(AD. 97-98)を泉井久之助訳注 岩波文庫 青408-1(1979改訳)で読む。

古代ローマの歴史家タキトゥス(55?- 120?)から見た、帝政ローマの北辺をおびやかす若い民族の姿。
中学高校の世界史でいきなり「ゲルマン民族の大移動」とか話を始められても、そもそもゲルマン民族って何なのか?イメージできないままだと、全然頭に入ってこない。長年の疑問に答えてもらうべくこの本を読む。

この時代のゲルマン人にはギリシャやエジプトの神が伝わっていた?
人身御供の風習が?

「彼らほど占鳥と占鬮(せんきゅう)を尊ぶものはない。」
鳥の飛び方、数、並び方、方向を見て神意を知る占いがあったらしい。
しかし、「占鬮」って何?!果樹から切り取った若枝を無作為に白い布の上にバラバラとまき散らしてみる占い?そんなの知らない。あと、白馬のいななきを聴く占いも?!ルーン文字は言語でなく符牒?

「武装と扈従(こじゅう)」この漢字読めんかった…。
全般的に使用してる日本語が古くて難渋。「Köln」を「キョルン」で通してて閉口。
これからはライン川をレーヌス川、ドナウ川をダーヌウィウス川と呼ぼうと思う。

この本に出てくる多くのゲルマン諸民族を事前に少しでも名前を聞いたことあるという人が読めば面白い。事前に「ガリア戦記」とか、ローマの歴史に詳しい人が読めば楽しい。だが、そうでない人はわりと現在地を見失うかもしれない。本文と同じぐらいに注釈解説ページが多い。

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