2024年4月19日金曜日

岡嶋二人「ダブルダウン」(1987)

岡嶋二人「ダブルダウン」(1987)を読む。これは週刊ポストに連載後、小学館から刊行。そして1991年に集英社文庫化され1999年に講談社文庫化。

ボクシングの試合中、ともに4回戦ボーイの若いボクサー二人が、青酸中毒で相次いで倒れ死亡した事件。
雑誌記者の中江と編集者麻沙美、そしてボクシング評論家の八田が事件と真相を調査開始。

ボクシングの試合中にそこにいた人物、毒物が体内に入っていく過程を追う本格推理か?と思いきや、人間関係の聴きこみの末に、女の姿と脅迫。事件は伊豆山中へという社会派ミステリー。

80年代末、推理小説といったらこういうスタイルが流行り。爛熟期を迎えていた。これはそれなりに力作。真犯人も意外にして、2時間ドラマに適切なミステリードラマ。
中江と麻沙美の男女コンビが発端をつかんで真相に迫っていく過程を楽しむ娯楽作。だが今作はそれほどユーモア会話は少ない。

まあ、真相はそんなことだろうという感じ。だが、こんなことで死んだ被害者は気の毒。

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