2024年3月28日木曜日

NHKスペシャル「邪馬台国の謎に迫る」

NHKが邪馬台国の最新研究番組をやると聞いて、すかさず録画予約。「古代史ミステリー 第1集 邪馬台国の謎に迫る」(3月17日放送)を見た。

この番組がNHK教養番組やお役所広報映像によくある、卑弥呼と邪馬台国についてあまり知識を持っていない女子大生が、ミュージアムへ話を聞きに行くというスタイル。疑問に答えるというスタイル。この探偵事務所の所長のようなたたずまいの女性が、ときに卑弥呼になるという謎の構成。
事前に予期してなかった。原菜乃華ちゃんが出てるということを。これはうれしいサプライズ。

自分はこれまでに読んで学んだ知識から、まあ邪馬台国は菊池市のあたりか、日田か、宇佐だろうなと思ってた。だいぶ九州説に傾いていた。
だが今回のNHKスペシャルは近畿派が盛り返す内容。
纏向から発掘された30年以上の年輪を持つ木材の酸素同位体を、これまでに知られた酸素同位体のグラフ年表と合致する場所を探す…という手法によれば、纏向に私用された木材が切り取られた年代が231年と判明。これは、卑弥呼が親魏倭王の称号を得た景初二年(239年)と8年しか違わない!
自分、今まで纏向遺跡は卑弥呼と邪馬台国の時代よりも100年下ると思ってた。卑弥呼と初期ヤマトの纏向は同時代だと判明?!
だが、邪馬台国と争っていた狗奴国はどこ?自分のイメージでは南にあるように想ってたけど、狗奴国は東日本?!それって、絶えず争ってたにしては遠くないか?

中国の研究家たちにも話を聞く。秦が滅んで三国志の時代。多くの中国人たちが蓬莱の国を目指して東に移動したはず。日本に技術を持ち込んだに違いない。
古墳は違う性質の土を層にして盛り上げる技術を使うと、物理的衝撃にも雨風にも強いことを実験で確かめてた。おお、だから1700年経っても箸墓はそこにあるのか。
かつては漢籍を読むしかなかった邪馬台国研究。戦後に考古学が加わって、最近は衛星画像からAIでまだ発見されてない古墳や遺跡を調査できるとか、時代は変わった。今後数年の間にさらにいろんな発見があるに違いない。
この番組を見て、シシド・カフカさんについてちょっと調べてみたら、この人はもう38歳だったのか!メキシコ・シティ出身だったのか!びっくり。
すごく卑弥呼のイメージにぴったりだった。
卑弥呼と邪馬台国について、無知な女子大生にいろいろと教えてくれたシシド・カフカ研究員だったのだが、卑弥呼に親魏倭王の称号が送られてから、宋書倭国伝に「倭の五王」が登場するまでの150年の間に、日本列島で何が起こっていたのか?については答えられるものを持っていないようで口をつぐむ。
そして番組は次回予告へ。自分、古代史でいちばん関心持ってるテーマが「邪馬台国」と「倭の五王」なので当然見る。

これが謎の「倭の五王」を日本書紀の天皇たちに当てはめるパズルは一切スルー。倭の外交関係をメインにした番組でちょっと失望。

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