2024年3月31日日曜日

染井為人「黒い糸」(2023)

染井為人「黒い糸」(2023 角川書店)を読む。どんな小説か知らないが、2017年に37回横溝賞の優秀賞を受賞しデビューした作家によるホラーサスペンス小説らしい。映画化も決定してるらしい。

結婚相談所でアドバイザーとして働くシングルマザー平山亜紀は、結婚を希望する女性会員江頭愛子39歳のクレームに悩まされていた。相手男性からの断りに「なぜダメだったのか教えろ」と執拗に迫ってくる不気味にプライド高い女。こちらのアドバイスにも聞く耳持たない。あまりにしつこいのでついキツく対応してしまったら、「覚えていろ」と捨て台詞。以後、番号を知らないはずの自宅に無言電話の嫌がらせ。

なんか、知りたくもない結婚相談所の現実を読まされる。結婚相手を探す手伝いをする業種なんだから、ニートや重い病気を持った入会希望者は断られる。そして接客業なんだからクレーマー気質の会員もいる。(社会は早くクレーマー問題を法的に簡単に解決できる方法を見つけないといけない。)

息子も元夫に似て普段はおとなしいのにキレやすい。クラスメイトにも暴力。担任から私用スマホに電話がかかってくる。性格って、やっぱり遺伝するのかな。

息子のクラスメイト女児が失踪する事件が発生していた。失踪児童の母親がヒステリックで校長教頭も困惑。担任飯田も休職。この母親が前任者は感情的で気に入らないと言い、後任でクラスを任された長谷川は冷静的で教師としての資質としていかがなものかと嫌味。いや、どないせーちゅうねん。

担任の後任の長谷川は、クラス委員長の女子児童から、転入生の母親が犯人であるという推理を聴かされ困惑。この長谷川先生には頼もしい兄(筋肉ムキムキ学者先生)がいる。実はこの長谷川先生がもうひとりの主演。

そしてその女子児童は何者かに襲撃され重体。小学校と地域は恐怖。

もうこれ以上は語ることを差し控えたい。終盤はまるで厭すぎる地獄の展開。警察無能。そして危機一髪クライマックス。死屍累々のサスペンスホラー。
しかし、なんで真犯人は正体がバレると軽い感じでぺらぺらと自分の悪行を言い聞かせるように語るんだろうか。

いや面白かった。「黒い糸」とはヒロインが結婚相談アドバイザーだからもあるけど、自分は貴志祐介「黒い家」と雰囲気が似てるなと感じた。サイコパスがいる町は嫌だ。

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