2024年3月21日木曜日

宇野維正「ハリウッド映画の終焉」(2023)

宇野維正「ハリウッド映画の終焉」(2023)集英社新書1167F を読む。

子どものころにくらべて日本でのハリウッド映画の存在感が薄くなってる気がしてた。その代わりにアニメ映画がやたら増えた。好きな人は好きなんだろうけど、ハリウッド映画とハリウッドスターに今現在の若者はあまり憧れを抱いてないように思える。

ハリウッド映画のここ10年の変化を、音楽ライターで映画評論家の宇野維正氏が解説してくれる新書が昨年に出ていた。自分、映画評論とかハリウッド映画最新作とかぜんぜん追ってないので、なんとなく伝わってくることしか知らない。なので最新のハリウッドがどうなってるのか?映画は何処へ向かうのか?
カルチャーとしての映画、アートとしての映画はこれからも細々と続いていくだろう。しかし、産業としての映画、とりわけ20世紀中盤から長らく「大衆娯楽の王様」であり続けてきたハリウッド映画は、確実に終焉へと向かいつつある。
#MeToo運動、キャンセルカルチャー、コロナ禍、ストリーミングと映画館の衰退、スーパーヒーロー映画、ファンダム、名監督、ここ10年のハリウッド映画とそのとりまく環境の変化。
映画産業の明るくない未来を、ああ、そうだったのかとわからせてくれる。書き出しから衝撃的。

宇野維正さんはこれほどまで映画に造詣が深かったのかと驚かされた。コロナとキャンセルカルチャー下のハリウッドのヒット作を豊富な知識で次々と解説。「手ネット」「DUNE」「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」そして「TAR」ああ、そうだったのか!

という断定。映画館で映画を見るということは、美術館で名画を、オペラハウスでオペラを見るのと同じ位置づけになっていく…。

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