夕木春央「絞首商會」を2023年講談社文庫版で読む。この作家のデビュー作(2019)で第60回メフィスト賞受賞作。
大正時代の東京、無政府主義者たちの秘密結社「絞首商會」によって血液学研究の村山博士が刺殺?!どうやら外で殺害され自宅に運びこまれた?凶器や血まみれの手紙などが5キロ離れた場所で?
この本で探偵に相当するのが、以前この家に泥棒に入って獄に入っていた帝大法科卒の美青年・蓮野。ストーリーテラー「私」が井口。
蓮野と井口のやりとりがユーモラスではあったのだが、この本が読んでも読んでも一向に面白く展開してくれないw 大正時代日本を舞台にした社会派といった風。警察が威張ってるだけで何も仕事してない。何か捜査が進展して新たな事実が!といったページをめくる推進力がまるでない。
作者はG.K.チェスタトンを意識したらしいのだが、自分はチェスタトンが苦手。よってこの本も事件も「で?」って感じでぜんぜんハマれなかった。読んでて興味をそそられない。
真相と構造がそれほど驚くことでもない。
わざわざ大正時代を舞台にし「絞首商會」なる秘密結社を匂わせたことがそれほど効果的でもない。むしろイメージを困難にした。
577ページもあった。最後まで読むことがぜんぜん楽しくなかったし失望。自分には合ってない。これは読まないでもよかった。
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