2024年3月15日金曜日

西村京太郎「銚子電鉄 六・四キロの追跡」(2010)

西村京太郎「十津川警部 銚子電鉄 六・四キロの追跡」(2010 フタバノベルズ)を読む。「小説推理」2009年8月~2010年2月号に連載された物を単行本化したもの。

自分、この十年で西村京太郎を読むのはこれが2冊目。この作家の本を読もうという気にはならないのだが、こいつも無償でもらっておいてそこに積んであったので、重い大作を読んだ後に軽いものを読もうというときに読む。

それに、銚子電鉄のファンという人はこれを読んでるらしい。自分は過去3回ぐらい銚子に行っている。数年前、この小説の舞台になってる外川にも出かけて散歩した。なので多少は興味を持って読み始めた。

西村京太郎は読んでいてまったくストレスがない。さらさらとお茶漬けのように活字をかっこむ。
適切なテンポで犯罪が露見し、刑事たちが聴きこんできた情報が明かされる。
新本格とかだとそれらの情報が偽情報だったりしてややこしいロジック問題になったりするのだが、この作者の場合はそれがまったくない。ペダンチックなムダ情報を読まされることもない。十津川警部の捜査方針はとにかく順調。

旅行雑誌記者が犬吠駅で取材カメラを盗まれる…という事件から始まるのだが、わりと多くの犠牲者が出る。怪しい投資話に乗っかった青年、金を貸す消費者金融支店長、外川付近を聴きこみしてた刑事、外川マリーナの老管理人、死屍累々…。

最後は銃撃戦w 十津川警部も拳銃持って犯行グループの船を急襲。
反社グループによる粗暴な犯罪とその背景。ま、社会派推理小説という名の刑事ドラマ。
音楽聴きながらお茶しながらの2時間読書。そんな事件もあるかもしれないなという、とくに驚いた展開とか何もなかった。ごく普通の刑事ドラマの1話という感じ。

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