2024年3月17日日曜日

山田詠美「ラビット病」(1991)

山田詠美「ラビット病」(1991)を新潮文庫で読む。これも無償でいただいてきた本。

身なりに気を遣わず、気分屋でだらしなく、働いてもいないが遺産を相続してお金はたくさんあるというゆりちゃん。
横田基地に勤務する、バカだけど真面目なロバちゃん(ロバート、黒人)のふたり。
うさぎのようにいつもぴったり一緒にいるバカップルの日常を描いた9本から成る短篇集。

これ、ギャル雑誌にでも連載されていたのか?って想ってしまうほど、読むのに学は必要ない。すごく平易。難しい言葉も表現もない。たぶん小学生でも読める。だが、内容はセッ○スなので、高校生以上でないとダメだろうと思う。

あと、ゆりちゃんの話す言葉が平成ギャル語口語体なのでさらにバカっぽい。ほぼ童話のようだし、ゆるキャラ漫画やアニメのよう。大人の読者が読むべき本ではないかもしれない。
この本を好きだという読者は主に若い女性だろうと思うのだが、ロバちゃんのような男性はおそらくこの世にほとんどいない。たぶん横田基地勤務の軍人・軍属には絶対いない。

なお、この本の「双子届」という章に、16号沿いの横田基地に面した場所にあるタンタンメンが名物だというラーメン屋が登場する。そのラーメン屋は同じ場所にたしかに存在する。「福実」という店だが、自分は過去に3回ほど立ち寄ったことがある。カウンターとお座敷席があるごくふつうのラーメン屋。タンタンメンがあったかは覚えていない。あそこはチャーハンが美味しい。

あと「すあまのこども」という章があるが、「すあま」という和菓子を関西出身の友人はまったく知らなかったという。

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