2024年2月8日木曜日

夕木春央「方舟」(2022)

夕木春央「方舟」(2022 講談社)を読む。これ、本好きの間で話題になった本らしい。初めて読む作家。

男女6人グループが山奥(圏外)の謎の地下施設廃墟に潜入。そこに泊まる羽目になる。さらに、道迷い家族3人も合流。
マンホールのような蓋を開けて狭い穴を降りる。これは過激派のアジトか何かか?え、拷問器具みたいなものもある。(実は終末思想カルト教団の修行場)

するとそこに巨大地震。出口の扉を巨岩が塞いでしまって完全に閉じ込められた。
水道、電気が通ってる。トイレも使える。賞味期限を数年過ぎた缶詰などがある。当分はここで過ごせそう。

そんな状況で殺人事件発生。さらに、第2、第3の殺人が!
この施設が地下3階まであるのだが地下3階は地下水に沈んでいる。地震のせいで水位がだんだん上がってる?!
犯人を完璧な論理で見つけ出し、その犯人に犠牲になってもらうよう説得して、生き残った者を地上に出れるようにしてもらおう!という切迫したサスペンス・ホラー・ミステリー。

ああ、スマホ時代のエラリー・クイーンたちが活躍するミステリーか。
正直、登場人物たちの行動すべてにそれほど納得もできないけど、極限状態には誰もがそうなるかもしれない。
ま、こんなものか…と思ったのもつかの間、だがしかし!

オビに書いてある「この衝撃は一生もの。」のコピーに偽りなし!ぐがあ!?と叫びながら本を投げたくなるような驚愕ラスト。
まじで何なん、この犯人…、完全に負けたわ。てか、探偵も読者も完全敗北。
この犯人がすごすぎる。動機が怖すぎる。
これは今後十数年は語り継がれる傑作。偉大な発明。とにかく衝撃。強くオススメする。

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