赤川次郎「哀愁時代」を読む。野生時代1987年新年特大号に掲載され、1988年に角川文庫化されたもの。こいつも無償でもらってきた赤川次郎文庫本。こういう読書をしてるとお金がかからない。怖いか?ザイム省。怖いか?岸田。
ちなみに、この表紙イラスト版の角川文庫がグーグルで画像検索するとどれもセンシティブ指定されていてぼかしがかかってる。なんで?
これ、裏のあらすじ書きに「幸福な生活を送る、若い女の子にふと訪れた、悲しい恋の顛末を描くラブ・サスペンス!」と書いてある。赤川次郎なのでミステリーかと思ってたけど、ヒロイン雨宮澄江の21歳から24歳で雪山で自死を選ぶまでを描いた、渡辺淳一みたいな文芸作品だった。
父の浮気で両親離婚、母は精神を病んで痴呆と寝たきり、社長を継ぐはずだった社長息子彼氏は新社長によって左遷、信頼していたおじさんとの事件、自分が仲介した友人カップルのその後、彼氏大学中退して暖房を切った隙間風の寒い古い雑居ビルで震えながら残業仕事、中年課長との一夜限りのラブアフェア。そんな絶望と諦観のドラマ。
正直、表紙イラストが内容とまったく合っていない。自分なら寒々しい油絵風景画の掛かった壁とかを選ぶ。
中高生が間違ってこれをファースト赤川次郎に選んでしまうことがないか心配だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿