岡嶋二人「七日間の身代金」を読む。1986年に実業之日本社より刊行されたものを1998年に講談社文庫化されたもので読む。
死人も発生した狂言誘拐事件の意外な真相…という感じのサスペンス。
資産家鳥羽の息子の前衛芸術家とその舎弟が何者かに誘拐。縛られたふたりの様子が映ったビデオテープが送り届けられる。
風変り芸術家国彦は舎弟の和己(父の年の離れた妻の弟)を散弾銃で脅して撃つなど悪戯を超えたサディスト。
国彦が所有する湘南の海に浮かぶ小島へ、身代金二千万を届けに行った義理の母須磨子が銃撃され死亡。和己は鳥羽家の別荘地下室から瀕死の状態で発見。
小島へは橋が一本。犯人はどこへ逃げた?現金も凶器の猟銃も行方がわからない。なにやら本格の雰囲気。
警察署長を父に持つシンガー千秋と、そのパートナーでピアニストの要之助。若い二人が頼まれたわけでもないのに現場にぐいぐい介入。警察よりも早く監禁されていた被害者を発見したり、真犯人に気づいたり、真相にたどり着く。
まるでアガサ・クリスティー初期のトミー&タペンスのような、恋人未満の若いカップル探偵の冒険、そしてラブ。
2時間ほどで読める。ぐいぐいページをめくれる面白さ。会話もオシャレ。岡嶋二人にハズレなし!という娯楽作ミステリー。
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