岡嶋二人「どんなに上手に隠れても」を読む。1984年にトクマノベルズとして刊行。88年に徳間文庫化。今回自分が読んだのは1993年講談社文庫版。
新人アイドル歌手・結城ちひろ17歳は、大手企業とのCMキャンペーンも始まるという直前になって、テレビ局での収録待機中に楽屋から姿を消す。警察には誘拐事件が起こるかもしれないという電話。
そして犯人から1億円の要求。芸能事務所、カメラメーカー宣伝広告部、警察が連携。
犯人は現金受け渡しにマネージャーを指名。犯人からの指示によって都内のあちこちをたらい回し。だが犯人が慎重。
運送会社に小包として運ばせるのだが、運送トラックはやがて知多半島のちひろの出身地へ。
ずっと尾行していた警察はついに身代金受け渡し場所を押さえて結城ちひろの身柄を無事確保。
だが、ずっと目を離さないでいたはずの1億円入りダンボール箱の中の紙幣は新聞紙にすり替わっていた!?いったい、いつどこで?
身柄確保された男たちもただ頼まれ仕事をしただけ。
犯人に一杯食わされた矢津刑事と若松刑事たちのぐるぐる巡る推理。狂言誘拐の要素もあたのでは?やはり新製品カメラの宣伝に関わった長谷川が犯人か?
そして、身代金受け渡しの一部始終を撮影してたカメラマンが殺される。
いやまったく予想外の展開。ジャンル的に松本清張のような社会派。ちひろのマネージャー有能。ページをめくる推進力があった。一気読みした。
読み終わってこのタイトルの意味がわかった。文庫解説は東野圭吾氏。
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