2024年2月22日木曜日

中町信「追憶の殺意」(1980 / 2013)

中町信「追憶の殺意」を2013年創元推理文庫版で読む。これは「自動車教習所殺人事件」(1980 トクマ・ノベルズ)の改題再発売。

「模倣の殺意」の創元推理文庫リバイバルヒットによる、中町信(1935-2009)の再発シリーズ。「模倣」「天啓」はBOでよく見かけるけど「追憶」はあまり見かけない。それほど売れなかった?

12月の埼玉県岩槻市、自動車教習所に集う様々な面々。仮免実習中の路上教習中、指導教官が川辺に横たわってる何かを発見。近づいてみると教習所の配車係(イケメン)の死体だった。
さらに、教習所の指導教官(ベテランで人格者)が教室内で死んでいる。これが状況から密室。
この教習所は若い女性を「おさわり」するエロ指導員、態度が横柄でガンガン蹴飛ばす指導員など、苦情が絶えない不良指導員がいる。しかも、教習所内部で賭博までも。

年が明けて、行方不明になっていた指導員も自宅アパート駐車場のカバーをかけられた車の中から遺体となって発見。思わぬ連続殺人。

だが後ろ3分の1はアリバイ崩しへ。刑事たちがこつこつ歩いて地道に聴きこみして浮上した容疑者のアリバイを調べていく標準的な社会派刑事ドラマ。これはほんとによくある標準的な長編推理小説というやつ。西村京太郎を読んでいるのかと錯覚するほどだった。

自分には何も刺激がなかった。令和の今、あえて読むまでもないと感じた。
ただ、岩槻の人、昔の群馬を知ってる人は懐かしく読めるのではないか。
この本が「自動車教習所殺人事件」のままだったら読んでなかった。タイトルって大切だなと感じた。
自動車教習所の指導員って丁寧で親切な人もいたけど、年齢の高い指導員ほど横柄で嫌な人が多かったイメージ。はやく免許のいらない自動運転のクルマが登場してほしい。

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