知念実希人「神のダイスを見上げて」(2018 光文社)を読む。書き下ろし作品。
オビには「絶望×青春 ノンストップ タイムリミット・ミステリー!!」とある。
巨大小惑星「ダイス」が地球に接近中。高校生の主人公漆原亮くんは最愛の姉を殺される。花壇の中で全裸刺殺体。
地球滅亡の危機?!という世界規模のパニック。日本も治安が悪化してて、警察も殺人事件の捜査に人を割くことができない。亮くんは、クラスで浮いてる四元美咲に接触し、父からせしめた大金を使って拳銃を入手。隕石衝突で全人類が死ぬ前に、こいつで犯人の胸に復讐の銃弾を撃ち込みたい。
主人公は高校生なのだがハードボイルド探偵の展開。関係者への聴きこみによって姉には恋人がいたらしいことを知る。
亮くんが「恋人だったのでは?」と疑う姉と同じ大学の同じ天文部サークルの魚住に会いに行って拳銃を突き付けて脅して話を聴くと、どうも恋人ではなかったようだ。
スマホにメッセージ。夜間、指定された大学へ忍び込んでみると、魚住の惨殺死体。慌てて逃げ戻る。後日、刑事がやってくるも亮くんはとぼける。四元が嘘のアリバイ証言をしてくれた。
この姉と妹が双方強度のブラコンとシスコン。魚住殺害現場に姉弟のキス写真?部屋にあった姉のぬいぐるみの中から盗撮カメラが…。
姉の恋人候補が大学の哲学科教授60代。姉と教授は特別な関係?ともに巨大隕石により世界が「裁きの刻」を迎えるという宗教に傾倒?教授には姉殺害時にロンドンにいたという絶対のアリバイ。
これ、舞台設定が荒唐無稽なこともあって、今まで読んた知念実希人でいちばんジュブナイル感がした。わりとベタな青春サスペンススリラー。十代の読者には刺さるかもしれない。
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