2024年1月5日金曜日

中公新書1823「楼蘭王国」(2005)

中公新書1823「楼蘭王国 ロプ・ノール湖畔の四千年」赤松明彦(2005)を読む。著者はインド哲学が専門らしい。

自分、今のところ楼蘭王国に関する知識はヘディン「さまよえる湖」と井上靖「楼蘭」しかない。この砂漠の中の王国は紀元前2世紀から紀元前77年の50年ほど存在し、鄯善という国名に変わって場所も移転した。

日本の学校教育の現場で使われる世界地図にはなぜか「楼蘭」の記載がある?!英国王室地理学協会の中央アジア地図にも中華人民共和国地図にもないのに。それを知って軽くめまい。日本人の西域への憧れロマンはそこまで強い?!

今グーグルの地図と衛星画像でヘディンが発掘した楼蘭の遺跡を見ようと探しても何もない。

史記に「塩沢」と書かれ、「漢書」には「蒲昌海」と書かれたタリム川の末端湖ロプ・ノール湖とはどこなのか?
プルジェヴァルスキーとリヒトホーフェンのロプノール問題。そしてヘディンの答え。20世紀初頭のインディ・ジョーンズたち。
今では衛星写真で答えの出る問題も命がけの大冒険。もう古文書に出てくる失われた王国とかお目にかかれない。月とか火星とかに古代都市の遺跡とか見つからないかなあ。

楼蘭のミイラたちって4000年前のもの?!そんなに古いのか。どうやらモンゴロイドでないらしい。

楼蘭では何語が話されていたのか?トカラ語?(それってトカラ列島と関係ないのか。)
トカラ語はインド・ヨーロッパ語族に属する言語らしいのだが、なぜにタリム盆地タクラマカン砂漠東端に飛び地のように、ヨーロッパ西端のケルト語派イタリック語派と顕著な類似点のある言語が?それは大いなる謎。

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