2024年1月4日木曜日

Winny(2023)

2023年3月10日公開の映画「Winny」を見る。監督脚本は松本優作。制作はLibertas。配給はKDDI。主演は東出昌大
こういったムカムカする冤罪事件映画を見ると相当にキツそうだけど、ずっと見たいと思ってたので見る。

東京大学大学院情報理工学研究科の特任助手金子勇(東出昌大)は幼少時から天才プログラマー。暗い部屋でお菓子食いながらカタカタと匿名ネット掲示板に書き込み。
親は子供にパソコンを与えるとこうなるというイメージを示してくれる。
(しかし、東大に入れて歴史に名を残せたら、親としては満足かもしれん。)

三浦貴大弁護士がP2Pについて会議室でレクチャー。皆川猿時おじさん弁護士は話についていけずにグーグー寝てる。

京都府警ハイテク犯罪対策室の刑事北村(渡辺いっけい)がマンション前の道路に車団で颯爽と登場。おい、勤務中に路上で喫煙すんなよ。
こいつが登場した瞬間から虫唾が走るほど不快。人当たりがよさそうでいてヘビのような目をしてる。渡辺いっけいがこういう刑事の第一人者俳優。京都弁の刑事がしゃしゃり出てくんな。
そして各地でチンピラ風のだらしない服装をした若い男性たちの部屋をいきなり訪問し片っ端から逮捕していく映像。やだ怖い。

吉岡秀隆愛媛県警の巡査部長。この映画で唯一の正しい警察官。署内の私文書偽造をたしなめる。怒りの感情を高めていく。(こいつは一体どこでWinny事件と絡む?)
東松山警察署って以前も女子大生に冤罪掛けて取り調べした刑事がいたはず。

およそ現代日本の司法にある悪意のすべてがこの映画の中にある。「弁護士に入れ知恵されて裁判所でうその証言をしました」という書面に署名させられる。
渋川清彦検事は薄ら笑い浮かべながら、弁護士たちからの抗議を一蹴。(こいつは後にどう処分された?)

東出がリーガルマインドゼロの天真爛漫。こんな人物が汚い警察官や検察官に太刀打ちできるわけがない。この人柄だからこそ多くの人々が味方になった。
金子が著作権を破壊するテロリストで大量のAVを持ってるなどの印象操作リークをしてくる。日本の警察も香港警察と大差ない。
保釈されてんのに姉にも会えないだと?!さらに大学も退職させられる。しょんぼり。川原で飛行機や雲の写真をとって気を紛らわす。かなり楽観的マインド。

刑事事件で10回も無罪を勝ち取ってる伝説の弁護士・秋田先生(吹越満)が登場。猛禽のような顔してる。とてつもなく頼もしい。
そして裁判。証人北村にダメ尋問しかできないダメ弁護士はその後仲間たちから針の筵。秋田先生の尋問テクがいよいよさく裂。

ああ、WinnyのP2P技術が、警察内部の裏金や不正の証拠が社会に出る手助けにもなるから、警察と司法はこんなにも必死!という筋書きだったのか。吉岡はそのために登場したのか。
著作権侵害のためでなく、悪党が見られたくない情報が世に出てしまうことが権力者の逆鱗に触れたのか。

結末はビター。期待したほどにはスリリングでテンポの良い法廷闘争劇じゃなかった。池井戸潤みたいな大岡裁きみたいな爽快感がない。後半は正直退屈。

冤罪事件に加担した刑事と検事は一族郎党で腹を召されるべき。なにより、しなくていい仕事にしゃしゃりでてくるヒマ刑事と検察。そんなに自分たちが裁くのに手ごたえのある仕事がほしいのなら、手柄を挙げて出世したいのなら、自民党の裏金捜査にもっと真剣になれ!
やりがいのある事件を手掛けたいなら、メキシコとかホンジュラスとかの麻薬戦争最前線へ派遣出向させてやればいいのに。

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