2024年1月12日金曜日

13歳からの地政学(2022)

13歳からの地政学(2022)田中孝幸著 東洋経済新報社 を読む。2022年に話題になった本。

県内トップの進学校に通う高校1年生大樹くんは、商店街のアンティークショップのウィンドウに飾られている古い地球儀を見ていたら、海賊のような黒い革製の眼帯をつけた老店主(筋骨隆々)から一週間毎日、この世界についての講義を受けることになる。お茶を飲みながら。中1の妹・杏と一緒に。

「地政学」って何?という疑問には答えてくれない。ただ、アメリカがこの世界トップの超大国である理由を、小学生中学生にもわかるように教えてくれる本。

日々、世界のニュースを追っているような人にはそれほど刺さらない本かもしれない。自分もそれほど何か新しい知識を得たわけでもない。
ただ、1日1回のお話が終わった後で、要点をまとめてくれているのがありがたい。

とくに、中国がアメリカと対等になることを目指している国だ…という件は、中学高校の地理の初日の授業で教えるべき内容だと思った。あとは、
  1. 日本がアメリカと親しくして中国の脅威に対抗するのは「遠交近攻」という地政学の王道。
  2. 核兵器は原子力潜水艦を深度の深い海中から撃てるようにして初めて最強になる。
  3. 長い陸続きの国境は管理と守るのが困難。
  4. 少数民族を多く抱える大国は反政府の動きを押さえるのに必死。
  5. 小国のほうが語学力が強い。大国の間でバランスとるのに必死。
  6. 国が分裂するとたいてい一般市民の生活は苦しくなる。
  7. アフリカが貧しいのはタックスヘイブン経由で国民のお金が流出してるから。
  8. アメリカが超大国になれたのは地理的条件が恵まれていたから。
  9. 日本は戦後、敗戦の責任者を探すよりも、戦争を天災としてとらえて復興した。
  10. 両国間のネガティブな問題が残るかぎり、韓国は歴史問題を蒸し返す。
といったことをこの本で改めて学んだ。
老人「中国人は世界中でトラブルを起こしている。その原因のひとつが、どんな中国人も世界のどこにいても中国政府に協力しないといけない。スパイのように。」
中1女子「えっ、私のクラスにも中国の子いるけど、その子もスパイになるかもしれないってこと?」
老人「中国政府から求められれば、我々の情報を盗むスパイになるしかない。」
高1男子「断ったら逮捕される?」
老人「中国政府の命令を断ること自体が難しい。日本にいても、中国にいる親類が無事で済まないかもしれない。」
いや、子どもでもわかりやすい。

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