2023年11月20日月曜日

倉知淳「星降り山荘の殺人」(1996)

倉知淳「星降り山荘の殺人」(1996)を講談社文庫新装版(2017)で読む。
今年の8月にBOを物色してて110円で見つけて確保しておいたもの。この作家の本を読むのは初めて。

中堅広告代理店で短気を起こして課長代理を突き飛ばした杉下。社長の命によって星園というハンサム文化人タレントの付き人にさせられる。星園が「スターウォッチャー」と名乗ってる。この人がわりと頭が良くて紳士。
で、秩父の山奥のキャンプコテージをどうするか?という意見を聞く企画会議のようなものに参加させられる。

そこの社長が客人の付き人杉下を自身の下僕のように扱って不愉快。
なんか、やたら冗長な会話が続く。なかなか事件が起こらない。80年代90年代のユーモアのセンス。
埼玉県秩父がすっごい豪雪地帯のように描かれる。え、異常気象?何日も山奥のキャンプ場に足止めされ殺人事件が発生するクローズドサークルもの。

終盤、探偵役に相当する人物がエラリー・クイーンのようなロジカルな思考で犯人を指摘。
あまりに些細でどうでもいい、わかるようなわからないような推理。読んでてどんどん鼻白む。
この本、ハズレかな…。犯人の詰め方に何か新しい仕掛けでもあるのかな…と読み進めた。

ぐがぁぁ~!どんでん返しに驚いた。「探偵と助手」に関する驚くべきミスリードが仕掛けられていた。そう来たか~?!これは予想できなかった。ここは新機軸。かなり野心的。
でも、驚いたのはその一点のみ。

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