2023年10月29日日曜日

日向奈くらら「私の友達7人の中に、殺人鬼がいます。」(2020)

日向奈くらら「私の友達7人の中に、殺人鬼がいます。」(2020)を読む。角川ホラー文庫書き下ろし作。

某県にある岩宮山は標高700mほどの山。とくに登山道も整備されていない。麓の駐車場に高校1年生7人が集まった。差出人不明の「名無し」メール。「山に登れば1年前の松原晴美の死の真相がわかる」

1年前の夏、受験勉強の息抜きにハイキングで仲良し中学3年生8人で岩宮山に登ったのだが、嵐で山小屋で一夜を過ごしている間に、成績も容姿もトップでリーダー各の晴美が行方不明。大規模な捜索によっても遺体も発見できなかった。
下山した7人の中に殺人者がいるのでは?と噂になり、7人全員が人生めちゃくちゃ。父親が自殺した生徒も。

7人は疑心暗鬼で山小屋へ。一夜明けると生徒の一人が串刺しで焚火で焼かれている…。
こいつはヤバいと下山しようにも、途中のつり橋が切られている。山小屋に戻ってカップラーメンを食べたひとりが仕込んであった毒によって死亡。

ヒロイン木下綾乃は二重人格だった。そのことは隠していたのだが、もう一人の自分が1年前に目撃したことを喋り出す。だが残り4人は信じない。夏とはいえ冷え込む山の中で、放置すれば死ぬかもしれないのに綾乃を木に縛り付けたまま立ち去る。(だが後に何者かが綾乃を縛っていた紐を切断)

しかし、焚火を囲んで相互に距離をとって寝ていた1人が首を切断され死んでいる…。
その現場に綾乃合流。その状況で双子の姉妹同士がお互いを犯人だと罵りながら片方を殺害。さらに男子生徒悠馬が生き残った双子の片割れに投石し殺害。

そして綾乃と悠馬の死闘。そして、意外な人物の出現。衝撃的で異常かつ意外な真相。高1でこんなにもぶっこわれてていいのか?

十代向けのライトなホラーを選んだつもりが、かなりエグい殺し合いに発展する山岳ホラーミステリーだった。これは高校生でもすらすら読めるし、きっと楽しい興奮と恐怖の読書体験になるだろう。

これはもうすぐにでも実写ホラー映画にできそうだ。登場人物たちがまるで高校1年生だと感じられないので、大学生ぐらいに置き換えて映像化してほしい。自分の中ではすでに映像化できている。

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