2023年10月30日月曜日

川口春奈「夫のカノジョ」(2013)

川口春奈と鈴木砂羽の主演TBSドラマ「夫のカノジョ」(2013)を今になって見る。
他に見るべき映画やドラマ、読むべき本がたくさんあるのに、あえて今このドラマを見る。
原作は垣谷美雨「夫のカノジョ」(双葉文庫)。脚本は江頭美智留と横田理恵。制作はホリプロ。

これ、本放送当時に第1話で大爆死して話題になったw 3%台で酷評された。だが今ならワンチャン面白いかもしれないと期待。冒頭ナレーションが鈴木福
だが、第1話を視聴開始早々に、なぜ多くの視聴者が見放したかわかった。いろいろありえなかった。
ギャル派遣OL山岸星見(川口春奈)を夫のカノジョと疑い尾行してた専業主婦小松原菱子(鈴木砂羽)の修羅場に、なぜか博多弁の魔法使い(渡辺えり)が唐突に表れてふたりを入れ替えてしまうというファンタジー。「何なんだこれ?!」
いい大人が見るドラマとは思えない。違和感だらけ。

菱子(鈴木砂羽)の夫で製粉会社営業部課長の麦太郎(田辺誠一)が仕事ができるにしてもにやけ顔で軽い。そもそもギャル派遣OLの正社員採用試験勉強に協力するために、年頃の若い女性のアパートに行くのが非常識。それを尾行してる気弱心配性妻も非常識。
それに川口春奈ギャルOLがもっとありえない。よほどお人よしばかりの職場じゃないと、どれだけスキルが高くともあの子は会社に置いてすらもらえない。部長柳沢慎吾はこの生意気派遣OLが気に入らず辞めさせたい。
しかも時には一緒に営業に外回りもする。この子にそんな仕事をさせる課長も部長も頭悪い。

しかも菱子が入れ替わってOLとして夫の職場に通勤する川口春奈がずっと可愛くないw ずっと怒り顔、困り顔のいずれか。このときから10年たった今の川口のほうがはるかにカワイイ。

気弱妻から蓮っ葉な妻に変身してしまう鈴木砂羽は適役かもしれないが、これはいつもの鈴木砂羽さんのイメージそのまま。しかもそんなにキレイじゃない。
第1話クライマックスの子ども(鈴木福)がPTA会長(山村紅葉)の息子(でぶ)に暴力を振るってしまい学校に呼び出されて、義侠心のようなものでスカッと解決…とか、ベタすぎ。

菱子が乗り移ったOL星見が心配性ヒステリックで職場を混乱させる。人間として専業主婦菱子よりもギャル里見のほうが成熟してる。
星美が本来自分の家である小松原家を訪問する場面はいろいろ面白かった。入れ替わり物として見たことないやつで新鮮だった。それなりに新しいアイデアが盛り込んである。これ、酷評するほどでもない。
第2回から専業主婦菱子も実は有能であることが示される。

麦太郎と星見の勤務する会社の開発部の柄が悪すぎる。態度が悪すぎる。売れ行きが悪いのをすべて営業部のせいにするとか、こんな会社ありえない。

パスタソースすべて菱子が作ったものが美味しさで勝ってしまう展開とか都合よすぎないか。派遣社員が一人で作ったものに開発部が負けてどうする。
PTA会長がウザすぎる。鈴木砂羽菱子がカッコよさを見せまくる一方、いつまでも夫の浮気疑惑から逃れられない川口春奈星見が困った人過ぎる。見ていてイライラする。

麦太郎が歩道橋の階段から転落して1週間入院…という事態での菱子と星見のやりとりは十分に面白かった。思いつめた星見(中身は菱子)が自暴自棄。ほぼテロリストのような発想。
5話では麦太郎の中学生娘実花(大友花恋)が父と星見がデキていると誤解し傷つく。
しかも星見とわだかまり母(片平なぎさ)も登場。(終盤に病に倒れる)

星見は麦太郎の部下石黒(古川雄輝)から告白される。さらに、ちょくちょく誰かと連絡を取り合ってる菱子を見て浮気を疑う。しかもずっと寝室も別。
ああ、めんどくさい!という試練が次から次へ。

大友花恋、当時中2。13歳から14歳になるころ。SEVENTEEN専属モデルになったころ。それはカワイイにきまってる。初期から若手女優として連ドラにも出演。それは期待されていた。今現在もドラマに映画に活躍中。
遊園地ダブルデート回はとくに子どもっぽい内容。パパママを尾行してた福くんに絡んで6人がかりでカツアゲする不良(30代ぐらいにみえる)は何なの?日本の治安はブラジルじゃない。不快なものを描くな。クローズアップするな。
このドラマ、全世代向けファミリードラマなの?

営業部の成績が上がらず柳沢部長が人事異動。替りにやってきた橋本じゅん部長が厳しいばかりで超絶嫌な人。
職場の雰囲気悪くして歓迎会でも嫌味。理不尽。
なのにクラブで「同期じゃないか。無礼講で行こう」とか言ってることとやってることがまるで支離滅裂だし何がやりたいのか意味不明。死を願いたくなるほど嫌な人。
人前で大声で叱責するのは完全にパワハラ。部の全員から嫌われてどうやって営業成績を上げるんだ?麦太郎は関西へ転勤の危機。
さらに、福くんの教室に転校生さくら(原菜乃華)がやってくる。この子は子役として10年前からがんばってたのか。
その母で夫が教育委員会だという高岡早紀も協調性のない嫌な人。親の側から学校を変えようとか異常なことを言う人。

さくらが異常に弱気で大人しく自分の意見を言えない。
高岡早紀「嫌がる娘に無理やりクリスマス会の白雪姫をやらせた。これはイジメでは?」とか異常すぎる論理を薄ら笑い浮かべて言い立てる。あまりに現実感がない。学校もそんなことでイチイチ母親を学校に呼び出すな。そんなことでクリスマス会を中止にするな。ああ、イライラする。
終盤はこのふたりに何かぎゃふんと言わせるような鉄槌が落ちることのみが、見続けるモチベーション。
なのに、え、そのタイミングで入れ替わってたふたりが元に戻るの?!

体育館での菱子と高岡早紀の直接対決が何らスッキリしないし爽快感がない。
星見と嫌味部長との対決も血反吐吐かせるぐらい攻め立てろ。なにが「俺も辞めます」だ。
こういうファンタジー異常展開見ていて何も楽しくない。

視聴者が求めるものが何も出てこない。スカッと倍返しの勧善懲悪がないドラマは見ていてイライラする。最後まで見てよかったことはあまりない。

0 件のコメント:

コメントを投稿