2023年10月13日金曜日

秋川滝美「ソロキャン!」(2022)

秋川滝美「ソロキャン!」(2022 朝日文庫)という本が目についたので手に取った。昨年8月に出た文庫書き下ろし。自分が読んだのは第2刷。ここ数年継続中のキャンプブームの波に乗った一冊…だと思う。

満員電車で総合スーパー商品開発部に通勤して職場でストレスを溜める29歳ヒロインが、癒しを求めて、学生時代にしていたキャンプ再入門という内容。

だが、キャンプ以前の職場人間模様といろんな人々に関するドラマが半分以上ある。
自分はそういうの要らないw ここはササッと読むスピードを上げる。

テントと寝袋以外は100円ショップで数百円のものを買いそろえ…というくだりは社会人リアル。
だが、キャンプ場ではひたすら自分で焚火と料理を実況中継。これが予想外のことも起こらない。それに、へえ、というような知識もない。マネしたくなるような料理とかもつくらない。
それに独自のユニークでとぼけた着眼点とかもない。つっこみどころもない。

しかもこのヒロインは「たき火さえあれば何もいらない」という孤独な焚火派。
そもそも一人でキャンプを楽しみたいという人は自分から積極的に他人に干渉していかないので出会いもない。(最後の初心者少女との出会いはかろうじてドラマ性がある)

この本を手に取った人はソロキャンプというスタイルがどのようなものか感心があった人だと思う。活字だけではイメージできないことが多い。キャプ道具も料理も。その点で「ゆるキャン△」の楽しさには勝てない。正直、自分はこの本はいらなかった。

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