2023年10月19日木曜日

ユメ十夜(2007)

夏目漱石「夢十夜」が2007年に「ユメ十夜」として劇場公開オムニバス映画(日活)になっていた。今になってやっと見た。

プロローグとエピローグ(監督:清水厚)に女学生役で戸田恵梨香が出演してる。「ギャルサー」に出演していた頃なので18歳ぐらい?かわいいはずなのだが、かわいさがあまりわからない撮り方。
以下、すべて「こんな夢を見た」で始まる全十夜。
第一夜はなんと監督が実相寺昭雄で脚本が久世光彦という注目作。2006年11月に亡くなった実相寺監督にとって最後の作品。久世光彦も2006年3月に亡くなってるのでこれも最晩年の脚本。
作家松尾スズキと妻小泉今日子いう豪華な出演。(あまちゃんか)
これは劇場公開作なのか?という実相寺監督のキテレツ演出。窓の外の観覧車とか謎。

第二夜もなんと監督が市川崑、脚本が柳谷治。
男(うじきつよし)と和尚(中村梅之助)によるモノクロサイレント怪談ムービー?
(中村梅之助は中村梅雀の父。テレビ時代劇でも活躍してたのである年代以上の人にとっては懐かしい。2016年に亡くなってた。)

これ、今までまったく知らなかった。市川監督が亡くなったのは公開の翌年2008年2月なので、これが監督として最後の作品? 
意味が解らないにもほどがある。何も才能を感じない映像作品。
第三夜は監督・脚本が清水崇というホラー映像作家によるこれまた意外な作品。
子だくさんにいらだつ夏目漱石(堀部圭亮)。そんな漱石をなだめる夏目鏡子(香椎由宇)。落ちた地蔵の首を戻した妻の話。そして子どもを背負って夜道を歩く漱石。ノイローゼ男が見るような恐怖な夢。

第四夜(監督:清水厚、脚本:猪爪慎一)
夏目漱石(山本耕史)は日向はるか(菅野莉央)から手紙でとある田舎町に呼び出されるのだが…。
これはもはや明治大正らしくしてもいない。風力発電の風車がそこにあったりする。これもノイローゼ男の見る夢のような神隠し怪談。

第五夜(監督・脚本:豊島圭介
これも現代が舞台。真砂子(市川実日子)が見る悪夢。悪霊ホラー?
庄太郎(大倉孝二)に何かを必死に訴えかけるのだが…。
これも何だこりゃ?という意味のわからない恐怖映像。ひたすら困惑。まるでウルトラQ。なんでこうなった?
第六夜(監督・脚本:松尾スズキ
モノクロ時代劇ふう。フザケすぎだろ!っていう阿部サダヲ主演の狂った舞台作品のような映像。運慶ってなんだよ。なんだこれ。口あんぐり。
しかし、このオムニバス映画で唯一金を払って見てもいい短編映画かもしれない。いや、でも舞台作品でいいかもしれない。
松尾スズキって自分が思ってた以上に頭おかしい。市川崑作品と並列されていい作品だとはとても思えない次元の短編。

第七夜(監督:天野喜孝、河原真明)
イラストレーターによるCGアニメーション映像作品。なぜか英語。夢というものをリアルに描いてるのかもしれない。

第八夜(監督:山下敦弘 、脚本:長尾謙一郎)
これも夢を見てるような困惑映像。田舎小学生が田んぼで化け物を拾うはなし。シュールすぎる。
藤岡弘さんが疲れ切ったおじいさん役という、何の意味がある?という映像作品。これ作った人も頭おかしい。
第九夜(監督・脚本:西川美和
幼い子を残して出征するピエール瀧と無事を祈る妻緒川たまき。その息子の見る幻想。

第十夜(監督・脚本:山口雄大、脚本:加藤淳也、脚色:漫☆画太郎)
村いちばんの色男の庄太郎(松山ケンイチ)の帰還。そして語り始める。
庄太郎の前にとつぜん本上まなみさんが美人として登場。豚丼を食べさせられる。これもふざけたCMのような質感の映像。
なんだこりゃ。くだらなすぎる。本上さんも石坂浩二さんもなぜこんなゴミ作品に?全10作中ワースト作。
とにかく他人の夢の話を聴かされるのって…迷惑!という映画。いや、映画ですらない。出演俳優たちもなぜこんな作品に?

なんでこんな企画が通ったのか?ヤバすぎ前衛バカ映像すぎた。途中からもはやまったく夏目漱石ではなかった。ふざけてしまった監督が多かった。100年経っても理解などできようはずもない。

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