14歳の少女理瀬は古びたトランクひとつディーゼル車両で湿原の中に独立して存在する三角形の岩の上にある寄宿学校(それ、イメージ的にモンサンミシェル)へ向かっている。汽車の中でトランクを失う。
その学園では通常なら3月に転校生を迎えるのだが、理瀬は2月最後の日にやってきた不吉な存在。
この学園では過去に2名の生徒が失踪。女性のような若い男性の校長とのティーパーティー、交霊術、図書館から消えた本、詩編の描かれた紙きれ、舞踏会、殺人…。
謎の全寮制学校の謎。誌的な文体と世界観と幻想的雰囲気はとてもよい。ジャンル的にサスペンス風味のファンタジー童話。
自分としては「緋色の囁き」や「約束のネバーランド」みたいな雰囲気を感じたのだが、ストーリーとして面白いかと聴かれると、「緋色」「ネバーランド」に負けている。
いやたぶん、十代女子が読んだのなら、こういった世界観にどっぷり没入していける。いい年下大人の男が読むにはちょっと厳しい。
ヨハンという名前の生徒もいる以上、登場人物は全員外人、外国設定でよかったのではと思った。
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