山田詠美「放課後の音符(キイノート)」(1989)を新潮文庫で読む。8本からなる短編集。
「僕は勉強ができない」が男子高校生の主観だったのに対し、こちらは女子高生17歳主観。
8本どれもがまだ自分が恋愛とか考えられないというウブな素朴少女と、酒もたばこもやってるし、男とも「寝てる」という女子ともだち…という構図。すべて同じような質感のヒロイン。
第2話で登場する純一とリエという名前が第8話にも登場するので、全話の「私」は同じ人物だと悟った。
これは男性読者は読んでいて恥ずかしい。女子高生が語る直接的なセッ〇ス。文体がジュブナイルな感じもするので、幾分か性教育的な意味合いもあるのかもしれない。
普通の中学からアメリカンスクールへ移った女子から聴かされる恋愛トークがダイレクトに「性」。
どれも読んだ後はあまり印象に残っていないのだが、第2話「Sweet Basil」は性的要素が薄い。幼なじみ男子をめぐる女子2人の心理。純文学を感じる。自分の脳内では乃木坂の菅原さんと井上さんで再生。
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