東宝と東京ムービー新社制作のOVA作品として企画され劇場でも公開されたらしい。
製作は竹内孝次、脚本は内藤誠。音楽は宮浦清で主題歌は麻倉未稀「セラヴィと言わないで」。
自分、ルパン三世のオリジナル長編はカリオストロぐらいしか見たことない。マモーもバビロンもノストラダムスも、その後の日テレ長編ルパンも見たことがない。
だが今作は作画が大塚康生さんなので見る。画的にカリオストロを感じられるから。
なんと石川五右衛門が山奥の神社で多くの参列者を集めて盛大な神前結婚式。ルパン「なんで急に?」それは視聴者も同じ気持ち。礼服姿のルパンにも五ェ門にも違和感。
そこに賊徒が現れ儀式に使われるという壺が奪われる。まるでアメフトのようなパス。
さらに花嫁も奪われる。ロケットマンのように空中へ。花嫁は壺と交換の人質。
ちょっと時代を感じる場違いな歌謡曲が流れて、作画スタッフの名前が表示。
日本の田舎が舞台だとそれは宮崎アニメのような雰囲気。てか、カリオストロを踏襲してるように見える。
背景美術がルパンというより横溝正史のような世界。大きなお寺の風景。
そして今作一回かぎりのキャスト総入れ替え声優陣リスト。
ルパン三世が古川登志夫なのは自分としてはそれほど違和感なかった。
今作で実質主役の石川五ェ門が塩沢兼人。礼儀正しいのはよいとして、なんだか腰も低い。
次元大介が銀河万丈、峰不二子が小山茉美、銭形警部が加藤精三。ヒロイン紫が荘真由美。この時代の有名声優ばかりだが、自分としては次元がいちばん違和感。次に銭形。
今回の銭形はなぜか剃髪した僧形。直前の事件でルパンは死んだと思い込んでいる。ルパンを供養して余生を過ごしてる?しかし、岐阜でルパン出現の情報。
今回は五ェ門ラブロマンス?!相手の女性紫が80年代の雰囲気のイマドキ娘のような登場の仕方だが古風な娘。
銭形と一緒にルパンを追う悪人官僚顔刑事が千葉茂。
そして最初の見せ場の岐阜県警パトカーとのカーチェイス。カリオストロの使い回し表現もあるけど、そこそこクオリティのフザケたドタバタ。
それほど感心もしない。行動もセリフも違和感。
大人になってからルパンを見ると、五ェ門がムダに木を斬り倒してるのを見ると「それは誰かの大切な木材かもしれないのに」とか感じてしまう。
ルパンと次元の飛騨高山カーチェイスも住民に大きな迷惑だし、旅館の中まで車で侵入とか多大な損害。リアルさ皆無のギャグマンガにしてしまってる。
それに花嫁少女に困り顔とか、自分の知ってる五ェ門じゃない。銭形警部のルパンへの執着心がシャカリキすぎてバカだし異常でコミカル。
財宝への通路のギミックはインディジョーンズ「最後の聖戦」みたい。
五ェ門と敵ボス(仏像顔)との対決は白土三平の武芸マンガの劇画タッチ。
スタッフは日本が舞台の「カリオストロの城」が作りたかったらしい。
ヒロインと敵の壁をよじ登るシーンは「北北西に進路を取れ」みたいになってほしかった。
自分としては十分鑑賞に堪える作品だと感じた。オリジナル長編作としてかなりがんばってる。
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