ロバート・L・スティーヴンソン「宝島」を初めて読む。昭和初期から冒険児童文学として日本でも読まれていた名作らしいので。比較的新しい2016年鈴木恵訳の新潮文庫で読む。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(Robert Louis Stevenson、1850 - 1894)はスコットランド・エディンバラの生まれ。「ジキル博士とハイド氏」という作品も有名だが自分は未読。
この本が発表された1883年は日本で言えば明治16年。鹿鳴館ができた年。英国はグラッドストン自由党内閣。フランスは第三共和政。
しかし文庫表紙に帆船が描かれてる。この小説の舞台は18世紀。なので船長とかたぶんベルばらみたいな軍服にカツラ、ナポレオンみたいな帽子をかぶってるかもしれない。
ベンボウ提督亭という船員が泊る宿屋を経営する父を持つ少年ジム・ホーキンズがこの物語の語り手。ブリストルに近いらしいのだが、この宿がある町ははっきりとは書かれていない。
ビリー・ボーンズという船長が何日も泊ってる。命令口調で乱暴狼藉。船員用私物箱というのを持っているらしいのだが、どんなものかイメージできない。
ビリー・ボーンズは「片足の男」に脅えている。
怪しげな人物の出没。ボーンズの急死。ホーキンズ少年は郷士のトリローニさんと医者のリヴジー先生と箱を開けて調査。ボーンズがかつてフリント船長海賊船の一味であったことを知る。
さらに、海賊たちは財宝を大西洋のある孤島に隠したことを知る。島の位置を記した地図を見つける。
郷士と医者せんせいはブリストルで船を仕立て、スモレット船長を雇い、財宝を探しに行くことになった。(本業は?)
ジョン・シルヴァーという片足の男とその仲間乗組員を集め、ホーキンズ少年を乗せた船はブリストルを出港。
自分、「宝島」をてっきり楽しい冒険宝探し小説だと思ってた。まったく違ってた。
大人たちの欲望と謀略、裏切りと戦争の果てに、多くの粗暴な船員が死ぬ残酷な内容だった。
これを今の日本の子どもたちに読ませていいものだろうか?イギリス国旗を掲げ、キリスト教徒として死を恐れずに戦う。19世紀に書かれたものらしいなと感じた。
人によってはこの内輪もめ反乱の顛末を面白いと感じるかもしれないが、自分としては期待してた内容と違ってやや失望した。カリブ海の海賊ってこんな争いを200年ぐらい繰り返したのかもしれない。
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