2006年10月公開の「ただ、君を愛してる」を見る。市川拓司「恋愛寫眞 もうひとつの物語」を原作とする映画。
監督は新城毅彦で脚本は坂東賢治。音楽は池頼広。制作はSTUDIO SWAN、配給は東映。
これ、DVDが出た直後に2回ぐらい見た。それ以来で見る。たぶん15年ぶりの視聴。
主演はは玉木宏と宮崎あおい。
2000年代中ごろの日本映画界は宮崎あおいを中心に回っていた。この映画が公開された2006年4-9月にNHK朝ドラ「純情きらり」が放送。(この年はYUIの「タイヨウのうた」も6月に公開)
この映画を想い出した理由はBOでDVDが250円で売られていて迷った末に買ってしまったから。近年配信とかやってなかったはずなので。だが、DVDを買って安心してたら後日WOWOWで放送されてしまった。
ニューヨークを行く主人公瀬川誠人(玉木宏)が見ていて心配になる愚鈍青年。バスで寝るな。そんな人通りの多い路上で地図広げて通り過ぎる人に道を聴くな。喋り方が与太郎。(なのに写真家として食べていけてる)
使ってるカメラが当たり前だがフィルムカメラだ。Canon F-1だ。シャッター音が良い。
大学時代の回想シーン。里中静流(宮﨑あおい)は子どものような容姿をしたJD。常習嘘つき変人キャラという設定なのだが、こいつの言う事をまともに受け止めるな。大学生にもなってそんなピュア青年なのかよ。見た目はイケメンなのに。
学校の前の横断歩道で手をあげてる歩行者ガン無視の車。これ、東京の常識。止まってくれる親切な車があるか試してる。宗教家かなにかなの。
主人公が帯状疱疹なのか?原因不明の奇病。トイレ個室に駆け込んで塗り薬。後から来た男ふたり、トイレなのに、個室に誰かいるのに「臭くね?」とかいうな。
誠人と静流は大学でまったく友だちがいない。静流は強引に誠人に話しかけてお友だち。まるで中学生同士のような男女だ。
大学からちょっと散歩に出かけると釈迦堂切通し。そこを潜り抜けると軽井沢のような高原の森と湖だ。この湖畔風景がとても美しい。(このロケ地キャンプ場はいつか行こうと思って未だに未踏地)
フィルムカメラでそんなどうでもいいものをパシャパシャ撮るのもったいない。フィルムの現像と暗室作業は永遠の憧れ。いまだに実現していない。
学園のマドンナが黒木メイサ(余裕そうな微笑みを浮かべてる)。そのリア充そうなお友達が小出恵介と上原美佐だ。「のだめカンタービレ」だ。時代を感じるキャストだ。のだめは同年10-12月期に放送。(上原さんは近年まったく見かけない。芸能界を引退してる?)
誠人は長身イケメンなのでこの大学カースト上位の黒木グループに迎え入れられる。
このグループがみんな爽やかでいいやつら。実はみんなエリート。なんか少女コミックみたいなキャラたち。
大学生男女が海水浴に出かけるとか完全にリア充。黒木さんと上原さんのビキニ姿には小出、玉木と同じように声を失う。黒木はパレオ姿。ビキニNGだったのかもしれない。
完全に男を誘ってる。まるで純情青年が「性」と出会う…というような映像。
青木崇高も出てたのか。当時はこの俳優の名前を認識してなかった。
誠人が黒木メイサと仲良しになると静流がこどものような嫉妬を見せる。戸惑う誠人。
行き場を失った静流が誠人の部屋(木造平屋一軒家)に泊まるというシーン。この少女は勝手に「抱かれる」覚悟w 塗り薬を何と勘違いしてるのか?この薬瓶が処方薬らしくない。
黒木メイサが誠人の前でウェディング情報誌を読むし、「ちょっとつきあって」と式場でのウェディングドレスファッションショー見学。さらにドレスアップして式場で記念撮影。なんだこの女子大生。ちょっと怖い。こんなマネはよほど深い付き合いしてないとできないことだろ。
で、家に帰ると静流がいる。キスをねだられる。写真コンクールに誠人と静流がキスしてる写真で応募。この女も怖い。
しかし、「今のキスに少しは愛はあったかな?」
静流は誠人の前から姿を消す。そしてニューヨーク。
そんな学生生活の日々を描いた純愛映画。ピュアすぎ青年の喪失の哀しみ。なんと切ない。こんなん誰だって泣く。
15年ぶりに見て内容をまったく忘れていた。雰囲気イメージしか覚えていなかった。その設定は「バースデーカード」も連想。
宮崎あおいは十代からガチのフィルムカメラ愛好家。静流写真展にチベットっぽい写真があった。宮崎は20歳ごろ中国雲南省を訪れたことがある。
夜景はフィルムで撮ってもそんなにキレイにならない。デジタルで撮って加工して盛らないと。
今フィルムがどうしようもなく高価なのはなんとかしてほしい。
黒木メイサが誠人にも静流にもすごく親切。美人は内面も美しいという描き方。(いいひとしかでてこなくてファンタジー)
NYの自宅(外資に就職)がすごく広い。金持ち美人の余裕。(今の円安とインフレではNY現地日本人の生活は大変そうだが。)
主題歌は大塚愛「恋愛写真」(avex trax)。時代を感じる。
0 件のコメント:
コメントを投稿