ひきつづき筒井康隆「エディプスの恋人」(1977)を読む。新潮文庫(平成10年42刷)で読む。
なんと火田七瀬は高校の教務課事務員になっている。あれ?「七瀬ふたたび」の地獄大量殺戮のバッドエンドから何がどうなってそうなった?
火田七瀬シリーズは前後のつながりが関係ないらしい。
野球の硬球が空中で破裂する場面に出くわした七瀬。少年が自分と同じ部類の存在であることを確信。
あとはひたすら少年香川智広とその父で画家頼央を刑事のごとく聞き込み調査。なんだか松本清張の「ゼロの焦点」ヒロインみたいになってる。雪の降る田舎にまで現地調査。
この小説には章というものがなく、筒井康隆の文体がほぼ途切れることなく一気に書かれていて唖然。
七瀬が出会う男がほぼすべて、高校生だろうが中年男性だろうがみんな心の中身は野獣。もれなく下品な性的妄想。七瀬を裸にする想像。
70年代に筒井康隆を読んでいたであろう「ヤングジェネレーション」はみんなこうだったのか?
そして宇宙の大いなる「意思」。破瓜、処女喪失。なんだそりゃ。
これが70年代筒井康隆SFか…という感じ。困惑しかなかった。
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