2023年6月12日月曜日

沢木耕太郎「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」(1992)

沢木耕太郎「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」(1992)を読む。前作の「第二便」から6年も経ってようやく発表された「第三便」前半部分にあたるのがこの1995年新潮文庫版の第5巻。

第13章「使者として トルコ」
イスファハンからテヘランへ戻る。トルコ・エルズルム行きのバスについて調べようかとバス会社へ行ってみると「急げ!」と言われる。いやいや、今日乗るわけじゃないと説明。だが、次のバスが出るのは1週間後と知り、慌ててバスに飛び乗る。ここでもバス代を値切って価格交渉。もうそういうのいいだろ。5巻に達してもずっとバス代、ホテル代、飯代で値段交渉。読んでてしんどい。

トルコに入ると地元の人々が日本人に好奇心。さらに、テヘランで磯崎新夫人の宮脇愛子(彫刻家)から預かった手紙をアンカラ在住の女性に届けるというミッション。
イスタンブールは怪しげな日本語で話しかけてくる物売りが昔から多かったことを知った。

第14章「客人志願 ギリシャ」
国境の橋を徒歩で渡ってギリシャ側の国境事務所に着いたものの夜中でバスがない。そこに白人グループ7人で満員の車。係官からの無理なお願いで8人乗りで、ギリシャ第2の都市テサロニキまで進む。テサロニキで朝の通勤に向かう人の群れを、旅に出て以来初めて見る。

すぐにアテネへ。だんだんと物価が高くなっていく。もう値切りゲームはやらない。
アクロポリスの丘に登る。この街に死臭のようなものを感じる。何かが足りない。
旅の変化を感じる。旅の終え方を考え始める。
ペロポネソス半島をめぐり、ミケーネの遺跡を見て、パトラスからイタリア半島ブリンディジを目指す。このルートは今もユーレイルパスと同じルートだ。

第15章「絹と酒 地中海からの手紙」
アドリア海を渡るフェリー甲板で、免税店で買ったバランタインを瓶のまま飲んで酒盛り。

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