「流浪の月」を見る。凪良ゆうの同名小説が原作。監督・脚本は李相日。UNO-FILMSの制作で配給はGAGA。公開は2022年5月。
当時は広瀬すずが情熱大陸に2週連続で出演するなど宣伝に力を入れていた。内容が重たそうでそう好んで見る気も起きないが、すずめあてで見ておく。
人けのない公園で小学生女子(白鳥玉季)が一人本を読んでいる。そしてにわか雨をきっかけに青年が傘を差し伸べる。不穏。
そして2006年のロリコン男逮捕ニュース動画を見てるバカ男子高校生のいるファミレス風景。配膳担当店員広瀬すず登場。なんだかやさぐれてる。同僚(趣里)から煙草をすすめられて喫煙し咳き込む。
更紗(広瀬すず)は亮(横浜流星)と暮らしてる。え、夫婦なの?どうやらまだ同棲期間中らしい。チュッチュしながらベッドへなだれ込む。胸を揉みしだかれ股を広げられる。こういうのドラマ映画であっても軽くショック。すずは今も中学生のイメージだから。
そして佐伯という青年。こいつが自分の知ってる松坂桃李に見えない。不気味。人の印象はヘアスタイル(毛量)に左右される。公園から連れ去った女子児童を部屋に。わりと整理されたキレイな部屋。少女更紗はアイス食べながら身の上話。
と想ったらファミレス同僚おばさんたちと飲み会のシーンへ。成長した更紗は明るくふるまっていても犯罪被害者として周囲から気を遣われつつ好奇と詮索の目。更紗が犯罪被害者の過去は公然の事実。
気の合う同僚女と飲み直そうと深夜営業カフェへ入ってみたら、店員があの佐伯。異常に暗い。更紗は明らかに固くなってる。
夜寝ていてもうなされる。いったいどんな辛い悪夢を?
かと思いきや、更紗は佐伯のいるカフェへ通ってる?しかも亮くんには急なバイトのシフトが入ったと嘘。亮は店長(三浦貴大)にバイトシフトを確認する電話。何やってんだ。亮はちゃんとしたサラリーマンだけど嫉妬深いし疑り深い。更紗をモノのように支配しようとする。自己の感情を抑制できないDV男。(早く別れろ)
暗い青年と小学生女子との楽しい二人暮らし。更紗が公園から行方不明になっていることは大きなニュースになっている。佐伯は逮捕されるかもしれない。「帰ってもいいよ」「帰りたくない」
少女は家では従兄の中学生に体を触られる性的いたずらをされていた。(その悪夢を思い出して今も泣いている)
一方で佐伯は少女になにもしない。やさしくそばにいるだけ。見てるだけ。手をつなぐ以上のことは一切していない。
カフェ店主佐伯には彼女(多部未華子)がいるのだが、店の前でずぶぬれの女更紗が待っていて付いてくるという異常事態なのに、何もなかったように平然と一緒に歩いて家に帰るとかおかしい。ここ、何か幻想シーンかと思った。
ああ、こういう現在過去を何度も行ったり来たりするドラマ。楽しい映画にはならないとわかってはいたが暗いドラマ過ぎた。他人の辛い過去映画。厭なことが起こりすぎた。
あと、チュッチュしてるときやたらぺちゃぺちゃする音がなんか嫌。たぶん接触することに嫌悪感を感じる人にはこう聴こえてるという表現か。
松坂桃李という俳優は映画で全裸になることが多いな。
人はそう見えることを見たいようにしか解釈しない。当事者の気持ちと関係なく暴走するSNSと煽情報道メディアは害悪でしかない。
ただそばに居たい。惹かれ合うふたり以外は全部敵。バイトも辞めさせられ流転流浪。この世界は責め苦のような地獄。
血だらけになって街を彷徨してる女がいるのに通行人は避けて通り過ぎるだけなのも異常。
ふたりの関係性を見抜けない警察無能、司法無力。やらなくていい仕事にしゃかりきになる警察官はメキシコの麻薬マフィア戦争最前線に派遣してやればいい。そのほうがやりがいを感じるはず。自身に絶対の正義を感じられるはず。自分より下にいると信じる他人を蔑み暴力をふるう能力を海外でいかんなく発揮してほしい。
音楽がいいなと感じた。原摩利彦という人が担当したらしい。
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