2023年6月29日木曜日

広末涼子「20世紀ノスタルジア」(1997)

広末涼子主演映画「20世紀ノスタルジア」(1997)を見る。監督・脚本・音楽は原将人。配給は大映。

自分、この映画を過去何回か見ている。たぶんもう忘れ去られた映画だが、今回、四半世紀ぶりぐらいで見た。

というのも、今年になってハードオフでジャンクCD漁りをしていてこの映画のサントラ盤を110円で拾ってこの映画を想い出した。サントラ盤を聴いてみて、この映画がヘンテコミュージカル映画だったことを思い出した。(この映画の写真集は今もたまにブックオフで見かける。)

広末涼子は15歳ごろに「クレアラシル」と「DoCoMoのポケベル」CMとヤングジャンプ誌のグラビアで大ブレイク。当時の人気はすさまじく、たぶん、今の20歳前後の人気女優をすべて集めたよりもすごかった。1人で今の坂道グループ全員に匹敵する人気。とてつもなく社会に影響力があった。

そんな広末涼子が大ブレイク前から出演が決まっていた映画がこれ。たぶん、広末涼子が出演しなければまったく注目もされなかったであろうC級映画。
ヒロイン遠山杏(広末涼子)は放送部に所属する高校2年生。ビデオカメラを持って街を歩き校内放送ニュースを作ってお昼どきに放送する生徒。
同じ高校の変人転校生・片岡徹(圓島努)と出会い、「一緒に映画を撮ろう」と誘われる。片岡は自らを宇宙人チュンセと名乗り、遠山をポウセと名付ける。片岡はべつにかっこよくもなんともない。
(この映画を見たときは自分はまだ宮沢賢治のこの童話を知らなかった。)

杏は片岡とふたりで夏休みに映画を撮り始めた。これがほぼデート。台本なしの即興なりきり演技。ラストシーンまでは撮影したのに、片岡は突然オーストラリアに転校してしまった。
そして2学期。片岡が残した未編集テープを見みつけた杏は編集作業を再開し追加撮影。ラストシーンを変更。映画を完成させる……。

いや、この映画も相当にC級日本映画。最後まで見たところで、「……」という無の表情になってる。たぶん人気絶頂の広末涼子主演作としてしか記憶されていない映画。しかもかなり退屈。
この映画で初めて知ったことが他にもある。オーストラリア先住民の楽器デジュリドゥを知ったのもこの映画。(アボリジニが言語を使わず交信できるって、後にやりすぎ都市伝説でも知って驚いた。)
隅田川にかかる清洲橋を知ったのもこの映画。

杏の別居父役で出演していた人が根岸吉太郎監督だということも後に知った。
ヒロインのジャーナリスト母は余貴美子さんだ。今見ると余さんが美人だ。
家で「勝手にしやがれ」を見るというシーン。VHSビデオテープの時代だ。
片岡の母役の女優はTRICKシリーズで山田のボロアパートの大家の人。大島蓉子さんだ。

ヒロイン杏の友人役の多田亜沙美さんはこの時代のドラマでたまに見た人だったのだが、90年代で女優業を引退したっぽい。
16、17歳のころの広末涼子がカワイイというよりも、とにかくとてつもなく個性的な顔をしてる。誰でも若いころというのは魅力的だが、当時はこの顔と雰囲気が新鮮で衝撃的だったに違いない。

しかしいつまでも人気は続かなかった。早大入学と不登校あたりから躓き始め人気にかげり。
15歳で自分が何をしてるのかすらわからないぐらい多忙で注目されていたら誰でも自分を見失う。

奇行スキャンダル、男性スキャンダルの果てに23歳で突然の妊娠発覚。結婚と離婚。そしてこの夏には不倫(とにかく男の趣味が悪い)。
(人気絶頂のころ観相学のせんせいが広末涼子の顔を見て「貞操観念が薄い顔」と評していたのを覚えている。ほんとにその通りで驚いた。)

この映画に出てる高校生たちがもう全員40代になっているとか不思議な気がする。広末涼子に20歳近い息子がいるとかもっと不思議。
映画のサントラ盤がほぼ映画からそのまま起こしたような名場面トラック。
これは110円でも要らなかったかもしれないw

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