2023年5月7日日曜日

アーサー・C・クラーク「楽園の泉」(1979)

アーサー・C・クラーク「楽園の泉」(1979)を1987年の山高昭訳ハヤカワSF文庫版で読む。表紙にヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞!の文字が書かれてる。
THE FOUNTAINS OF PARADISE by Arthur C. Clarke 1979
この本、ずっと読もうと思ってた。なかなか実物を見つけられなかった。実は以前この本を持っていたのに一度も読まずに処分してしまっていた。やっと読む。

この小説は「宇宙エレベーター」を扱った小説。静止衛星から地上へケーブルワイヤをたらせば、ロケットを使わなくとも宇宙へ行ける。位置エネルギーを蓄えることで上昇にかかるエネルギーに使えるという効率的な「宇宙エレベーター」を扱った小説は1979年ごろいくつか書かれて、今現在の日本SFにも影響を与えてるらしいのだが、自分は一度も見たことがないし、小説でも他に見かけたこともない。

タプロバニーのカーリダーサ王は父王を殺して王位についた。ヤッカガラの巨大な岩山の上の要塞のような宮廷、人口湖、灌漑用水、王国の富をそそいだ噴水、庭園、天井壁画、ライオンの爪。そして円錐形の霊山スリカンダがそこにある。調和のとれた世界。
だが、弟のマルガーラが外国勢力と結託して王位の機をうかがっている…。

2年ぐらい前にTBSの世界遺産番組で、スリランカのシーギリヤを放送してたのを見たことを思い出した。あそこは行ってみたい。このSF小説を「宇宙エレベーター」小説だと思って読み始めて、「あれだ!」と気づいた。

庭園の屋敷にいるラジャシンハ大使を地球建設公社技術部長ヴァニーヴァー・モーガンが訪問。古代から現代(未来だが)に舞台が飛んだ。
この人が宇宙エレベーター建設に関する技術的問題と用地取得(寺院との話し合い)などすべて担当?
正直、自分のイメージできる限度を超えたw スターホルム人?アルファ・ケンタウリの彼方から観測船のようなものが太陽系に飛んでくる箇所は、「宇宙のランデブー」を連想。

そして予期せぬ事故。どうにか救援しないといけない!という状況は「渇きの海」や「アポロ13」を連想。
想像しうるありとあらゆる事故に備えて、あらゆる設備や備品を用意しないといけない。惜しんではいけないと思った。

自分の想像力ではそれほどの高度がイメージできなかった。スパイダーがどんな形状をしてるのかもイメージできなかった。

高校時代から気になっていた本をようやく読み通すことができたという満足感。

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