中公新書1781「マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女」岡田温司(2005)を読んだ。
実は自分は2006年の映画「ダヴィンチ・コード」を最近になって見るまで、それほどマグダラのマリアという人物について気にしたこともなかった。
ダン・ブラウンによる創作物なのに、マグダラのマリアはキリストと結婚してて、その血筋はメロヴィング朝に受けつがれ、テンプル騎士団、シオン修道会、ダ・ヴィンチ、フリーメーソン、という映画の内容に唖然とした。
で、この本を手に取ったわけだが、この本はそちらの筋から興味を持った人にはまったく響かない。マグダラのマリアのイメージがどのように変遷し受容され、ルネサンス以降の画家たちに描かれたか?がテーマの本だった。宗教史の本ではなく美術史の本だった。
この本を読んだところでマグダラのマリアの正体がわかったりはしない。
だが、西洋絵画史にも多少の関心がある自分には、「改悛のマグダラ」とか「シモン家のキリスト」「我に触るな」、キリストの磔刑、十字架降下、埋葬、復活、昇天、香油、髑髏などのモチーフについての知識はなんとなく得た。
今後、ジョット、カラヴァッジョ、クリヴェッリ、レーニ、ティツィアーノ、ボッティチェッリ、ジェンティレスキの絵画を見るときはそれを意識して見ようか。
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