フランソワーズ・サガン(Françoise Sagan 1935-2004)を読むのは初めて。新潮文庫の邦訳サガンは朝吹登水子訳と決まってるのだが、この河野訳は半世紀ぶりの新訳とのこと。
17歳セシルは母を亡くして15年。2年前に寮を出てプレイボーイの40男父レイモンとふたりで暮してる。夏なので南仏の海岸別荘で過ごしてる。別荘で何ひとつ不自由のない暮らし。父にはエルザ(29)という女優の愛人(ふつうに恋人)がいる。3人仲良くバカンス。
そこに母の旧友で有名人で憧れのおとなの女性アンヌ(42)もやってくる。え、エルザという愛人がいながらさらに別の女も?
セシルは父とふたりの生活をアンヌが破壊してしまわないか心配。それにエルザとアンヌでは知性にも差があって会話にならない。
カンヌのカジノに4人で出かけ、そこ場で父はエルザからアンヌに乗り換え。セシルは怒り心頭。
セシルはバカロレア受験勉強中なのに勉強なんてまるでしてない。近所の別荘に来てる法学部大学生シリル(26)と恋仲。アンヌは大人としてセシルに口うるさい。男女交際と勉強の件でいろいろ言ってくる。
フランスJKは17歳で酒もタバコもセッ〇スもしてる。大人が傍にいるのに自由すぎ。
(フランスは高校生で哲学という科目があるのか。それは日本とだいぶ違う。日仏の十代同士で会話が成り立つわけがない。てか、日本の生活が今も貧しすぎ。)
父はアンヌと再婚を決意?!そこでセシルは策略。エルザとシリルが一緒にいるところを父に目撃させ嫉妬させる作戦。これにより父は再びエルザに夢中。
まんまと策がハマったはずが、セシルは不機嫌。別荘を去るアンヌに泣きながら「行かないで」と訴える。アンヌ「かわいそうな子…」
そして、突然に目の前がサッと暗くなるような事故。
読む前は何か悲劇的なことが降りかかる話かと思っていた。ちょっと違っていた。「悲しみよこんにちは」というタイトルはポール・エリュアールの詩から採られたもの。
映画に向いてる作品だと感じた。実際過去に映画化されている。けど、心の独白が多い。そこはどう映像化していいのかわからない。
あと、痩せたヒロインの朝食。オレンジをかじりながらブラックコーヒーに驚いた。オレンジフレーバーのコーヒーということか。
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