ベルトラン「夜のガスパール レンブラント、カロー風の幻想曲」(1842)を及川茂訳1991年岩波文庫版で読む。
「夜のガスパール」と聞いたらほとんどの人がモーリス・ラヴェルのピアノ曲「夜のガスパール Gaspard de la nuit」のほうを想う。自分も今まで一度もアロイジウス・ベルトラン(1807-1841)の遺作詩集「夜のガスパール」を読もうと思わなかった。
夭逝したルイ・ベルトランについて日本ではほとんど知られていない。ボードレールが賞賛し名前が知られるようになった。
日本語Wikiすらなくて驚いた。日本に最初にベルトランを紹介したのはラフカディオ・ハーン東京帝大教授?!
せっかく邦訳があるので読む。これを読めばピアノ曲「夜のガスパール」の「オンディーヌ」「絞首台」「スカルボ」がまた違って聴こえるかもしれない。(邦訳はこの岩波版が4冊目?)
ディジョンのアルクビューズ(火縄銃)公園のベンチで出会った「夜のガスパール氏」から手渡された原稿が「夜のガスパールの幻想曲」という原稿。(グーグル地図で確認したらアルクビューズ公園は現在は植物園らしい)
幻想曲第6まで、風景画のような詩が続く。中世の場面。ユダヤ人のいる風景。などなど。
どれも日本人にはまったくなじみがないものばかり。フランス史の図版なんかを見てる人じゃないとほとんどイメージできないかと思う。
最後まで読んだけど、とくに感想はない。ただ読んだと言いたいだけ。
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