2023年3月17日金曜日

W.L.デアンドリア「ホッグ連続殺人」(1979)

ウィリアム.L.デアンドリア「ホッグ連続殺人」(1979)を1981年真崎義博訳ハヤカワミステリ文庫(1998年19刷)で読む。これ、わりと有名作らしいので読む。表紙タイトルの上に「アメリカ探偵作家クラブ賞受賞」と銘打ってある。
THE HOG MURDERS by William DeAndrea 1979
ニューヨーク州スパータ市(シラキューズとロチェスターの間にある人口19万ほどの機械工場と大学のある街という設定)は大雪。
地元紙記者テイサムは運転中に前を走行する車に落下してきた表示板が直撃する事故を目撃。すぐに救助活動するも、若い東洋系女性が即死。
後日、記者の元に「HOG」と名乗る人物から犯行声明。それって殺人だったの?

さらにロン・ジェントリーという私立探偵、地元警視、精神科医、を登場させ、スパータで連続で発生してる凄惨な事故死について説明。

探偵の師匠でイタリア人犯罪研究家ニッコロウ・ベネデイッティ教授が登場。捜査チームに加わる。(この人、イメージ的にディクスン・カーのヘンリー・メルヴェール卿みたいな感じ?)
犯行声明を送りつける「HOG」を捜査。被害者は年齢性別もバラバラで共通点もない。

この小説、典型的な英米ペイパーバック文体。アメリカ人たちのスカしたやり取りがぜんぜん頭に入ってこないし状況が分かりずらい。会話でだけ事件を説明しててなんとなくしかわからない。日本人にはアメリカ人の生活や会話スタイルはアメリカ映画やドラマをたくさん見てる人でないとわかりづらい。

ベネデイッティ教授は被害者と関係者たちと「HOG」という名前にある共通点を指摘するのだが、それが「んなもん日本人にわかるかっ!?」という馴染みの薄いものばかり。

そして容疑者が山小屋で凍死した状態で発見。そしてベネデイッティ教授の到達した真相。
まあぶっちゃけ、読んでる最中そんなことも考えなくもなかった。なのでそれほど驚けなかった。
最後の1行を褒めてる人もいるけど、結局それも英米人が「ウマぃっ」と言いがちなやつ。
クリスティ「ABC殺人事件」のような連続殺人のひとつのアイデアではある。

0 件のコメント:

コメントを投稿