2023年3月9日木曜日

鈴木絢音「言葉の海をさまよう」(2023)

鈴木絢音「言葉の海をさまよう」(2023 幻冬舎)を読む。

一見するとアイドルのエッセイ本だろうと想えるのだが、中身は「タ〇リ倶楽部」。
紙の辞書を愛用する乃木坂46の鈴木絢音が、辞書作りの現場の人々、三省堂書店の辞書編纂者、編集者、校正、印刷、製作デザイン、販促の担当者に話を聴くという対談本。
2021年から「小説幻冬」に掲載されたものを、鈴木絢音の乃木坂卒業を機に一冊にまとめられたものだと思う。

辞書の最前線にいる日本語のプロたちの、ここぞという場面で繰り出されるトリビアにうなる。
絢「母がマジとかヤバイというような言葉を嫌う。どうすれば?」
編纂「どちらも江戸時代から使われている言葉だと教えたらどうですかね」
絢「?!」
というようなやりとりが続く。へえ、の連続。
  • 雑誌グラビア写真ページはオフセット印刷なのでグラビア(凹版)と呼んではいけない。
  • イケメンという言葉は1999年創刊の「Men's egg」以降に広まった言葉。
  • 肉の表面を焼いても「肉汁を中に閉じ込める」ことはできない。
鈴木絢音が辞書に興味を持っているということよりも、そんな知識に驚く。3月7日より発売中。

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