2023年3月8日水曜日

吉川愛「ハニーレモンソーダ」(2021)

ハニーレモンソーダ(2021 松竹)を見る。村田真優によるコミックスが原作。監督は神徳幸治、脚本は吉川菜美。主演はラウール(Snow Man)吉川愛

少女たちの考える理想とする妄想ミステリアスかっこいい男子カイ(ラウール)。あんなに明るい金髪男とか、その地域でひとりいるかいないかの本物の反社不良しかいない。

その一方で引っ込み思案でおとなしい自分に自信のない美少女ヒロイン石森(吉川愛)。
そんな自分をかっこいい男子が選んでくれて強引にアプローチ。それは女子たちの妄想。
テンポよく、爽快な音楽に乗せて、開始数分で説明。ベタすぎる。BGMが普通過ぎる。そんなスウィーツ映画が多すぎる。

このヒロインが同じ中学出身ギャルたちから陰湿なイジメ。高校生にもなって何やってる。どんだけ底辺高なんだ。このヒロインは受験失敗してこの高校だったのか。自分に合った高校を選ぶって、なかなか大変な関門。
そんな弱気の自分を助けてくれる男の子。どんだけ他力本願なんだ。ヒロインの上目遣いがジトっとしてる。

美しいグループと極悪グループが見た目がハッキリしてる。美しいグループに選ばれて合流することでだんだん自分が変わっていく。

カイの元彼女芹奈役が堀田真由。初登場シーンからすごくイイ女感を漂わせてる。こんな大人の雰囲気で洗練された女子高生いるのか。
このふたりが別れたことは周囲も理由がわかってなくて困惑してる様子。

仲良しグループあゆみ役が岡本夏美。ヒロインのカイへの恋を応援してくれるのだが、違うクラスの芹奈ともなかよし。
芹奈も正義の心がある優しい子。一緒にいる性格の悪い女子たちを切ってカイグループで仲良し。

石森は芹奈に気遣いつつ探りつつ質問してみる。「カイくんのこと好き?」
このふたりは瞬時にお互いをやさしく気遣う。石森は芹奈に気をつかってカイを避け始める。カイの周囲も心配し困惑。
てっきり芹奈はヒロインを苦しめるわかりやすい三角関係の一角美人だと思ってたら違うのかよ。どんだけ優しい世界観なんだ。

夏祭りのお寺で芹奈と遭遇。あれ、女の子二人連れ?やっぱり芹奈とカイは何の関係もない。
その後に石森はカイと遭遇。自分を避ける石森にカイがぐいぐい迫る。「どうして私なんか…」
ここまで気遣いで相互に男子を譲り合う謙虚ヒロインと謙虚ライバルというスウィーツ映画を見たことがない。逆に新鮮。

と思ってたら、みんなで海に行ったときに、芹奈「今もカイが好き」
ええぇ…。でもやっぱりそうならないとドラマにならないか。
と思ってたら、カイが断ってきっぱり別れる。
それを知った石森から芹奈へのあまりの長文LINEに笑った。(ここ、もっと本気で視聴者を笑わせにかからないと。)

だがしかし、後半はいつものスウィーツ。カッコイイ人気者カイが地味なヒロインを不安にさせるという、ありがちベタ展開。
ヒロインの女ともだちたちが人生の先輩かのようにアドバイス。どんだけ大人なんだよ。
芹奈、あゆみ、瀬戸(坂東龍汰)、友哉(濱田龍臣)、みんな心優しいいいやつ。高校生ってこんなにみんな大人だったっけ。

このヒロインは男から見ても魅力的ではないか。ラブラブパートはMVみたいで見ていて恥ずかしい。
だが、誰も来ない秘密の部屋でふたりで昼寝とか、大人が見過ごしていいことじゃない。

しかし、このカイという少年は家族に関して秘密と心の闇を抱えていた。急にヘビー。そこがこの映画の最後の山場。ラウールの台詞の言い方がクセがあって個性的。芝居がかってかっこいい感じ。

スウィーツ映画にしては大人も見れる映画だった。吉川と堀田の顔が老けてて大人の女に見えるからかもしれない。
吉川愛がこの映画で日本アカデミー賞に初めて呼ばれたのは納得。

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